バスジャック １３２ ページ36
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送信完了したのを確認し、部屋の電気を消してAの頭を再度撫で、松田は部屋を後にした。
「おやすみ」
＊
「んん…………ハッ！」
目が覚めるなりガバリと身体を起こしたAは、痛む場所を擦りながら周りを見渡し、はぁ〜〜〜……っと大きくため息を付いた。
……やってしまった。また松田の思うままになってしまった。
よっこいしょと結局借りてしまったベッドから抜け出し、そっとリビングを覗くと大きないびきが聞こえてきた。
案の定松田はソファで寝ており、昨日お風呂から上がってから飲んだのか空のビール缶と空のおつまみの袋がテーブルに置いてあった。
時刻は午前６時半。毎日この時間に起きていたせいか、アラームが無くても起きる時間が身体に染み付いていたらしい。
鞄からそっと自分の携帯を取り出すと、零から『朝８時に迎えに行く』とメールが来ていた。
そうと決まれば。
あまり音を立てないようにテーブルの上のゴミを片付け、軽く顔を洗い冷蔵庫を覗く。
買い出しに行く暇が無いのかそれとも自炊をしないタイプなのか、冷蔵庫にはほとんど何も入っていない。
(お礼をするにはいい機会だし、何か朝ごはんを用意したいけど私に作れそうな物は無いかな…)
結局食パン２枚をトースターに突っ込み、熱したフライパンに油をひきジュワリと卵を２つ落とし、軽く塩胡椒をかける。
流石にこの音で目が覚めたのか松田がモゾモゾと起き上がり、大きな欠伸をひとつ零す。
「おはよう」
「ん、はよ……」
グッと大きな伸びをする松田を横目に次は冷蔵庫から牛乳を取り出す。
「陣平のコップどれ？」
「あの紺のヤツ」
教えてもらった通り紺色のコップを棚から取り出し、あともう１つ自分用に適当にコップを出してコーヒーと牛乳を入れる。
「零がさ、８時位に迎えに来るって」
「マジ？うわやっべ」
時計を見て慌ててベッドのある自室に消えていった松田にふっ、と笑い皿の準備をする。
チン、と焼けたパンにマヨネーズを塗りその上に目玉焼きを乗せ、牛乳と一緒にテーブルに運ぶとスーツに着替えた松田が戻ってきた。
「おっうまそー。いただきまーす」
「いただきます」
ガブリとパンにかぶりつく松田を見てからAも食べ始める。
「Aって料理出来んのな」
「卵焼いただけだよコレ。そもそも料理は普段からしないしこんなのしか作れないよ」
「ならあいつがいつも作ってんのか…」
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ふゆな(プロフ) - 初めまして！素敵な作品をありがとうございます。これからも頑張ってください👊🏻💗 (2022年5月4日 3時) (
レス) id: 676d8245fd (このIDを非表示/違反報告)
momoryu(プロフ) - さちさんコメントありがとうございます！これからも定期的に更新していくのでよろしくお願いします！ (2019年8月8日 14時) (レス) id: 0d68fcd700 (このIDを非表示/違反報告)
さち - すごくおもしろいです。続きが早く読みたいです。よろしくお願いします。 (2019年8月8日 14時) (レス) id: 02606fd336 (このIDを非表示/違反報告)
momoryu(プロフ) - ベルモットさんありがとうございます！初コメントで感動してます。これからもちまちま更新していくので見守っていただけたら嬉しいです。 (2019年6月24日 19時) (レス) id: 0d68fcd700 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 読みました。夢主人公が黒の組織絡みだったり、好みの小説でした (2019年6月24日 15時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：momoryu | 作成日時：2019年6月17日 10時
