バスジャック 129 ページ33
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「……灰原、逃げるんじゃねーぞ…自分の運命から……」
「…」
目の前の光景に微笑んでいると、待機していたのであろう刑事さん達が駆け寄ってきた。
(……さて、どう切り抜けるか)
警察にあまり顔を知られたくは無かったんだがそれは流石に無理っぽい。
コナン君に口裏合わせてなるべく目立たない様にここから消えるか……なんて考えてると刑事さんにコナンが話しかけた。
「この子怪我してんだ!博士やみんなと一緒に病院に連れてって!
事情聴取は僕が受けるからさ!Aさんはどうする?」
「あー、じゃあ私も___」
「A!!?」
ならついでに病院に連れてってもらおうかと口を開くと、聞き覚えのある声が聞こえてきたのでそちらを振り返ると松田が慌てて駆け寄ってきた。
「陣平…」
「お前も巻き込まれてたのかよ!?」
「ま、まあ……」
「あ、こいつの事情聴取は俺がするんで……いいっすか?」
「はあ……いいですよ」
刑事さんから許しを得ると、Aの意見は聞かずに松田にお姫様抱っこをされ、連れていかれる。
未だにポカンとしているコナン達に手を振って松田にしがみつく。
「…無茶するなお前」
「……これは仕方ないよ」
少し怒った感じのまま簡易で作られたテントの中に入り、パイプ椅子に座らされる。
「痛いとこ何処だ?」
「えと……あちこち」
「お前なぁ……」
呆れたようにため息をつかれながらも松田は医療班を呼び、配慮してくれたのであろう医療班の女の人が手当をしてくれる。
色んな所が破れたり血で滲んでしまったのでこの服はもう捨てるしかなくなってしまった。
「それより陣平も来てたんだね」
「あー、また俺はしばらく操作一課にいる事になったんだ。今度こそ俺のダチの仇を打つ為にな」
「なるほど…」
確か聞いた話だと、幼馴染で同じ爆発物処理班の人だったか…。あの3年前の観覧車の件の犯人がまた動き出したんだろう。
……それよりも松田に連れていかれる所をベルモットに見られてしまっただろうか、なんて事を考えながら大人しく手当されているのを眺め、松田の事情聴取に答える。
「あいつには連絡入れたのか?」
「ああ、そういえば……」
鞄の中に入っていたお陰で衝撃も少なかったのか、ヒビ1つ入っていないスマホを取り出して電話帳を開く。
だが今日は大事な仕事があると聞いていたので多分電話しても出ないだろう。それに……。
「……なんて言おう」
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ふゆな(プロフ) - 初めまして!素敵な作品をありがとうございます。これからも頑張ってください👊🏻💗 (2022年5月4日 3時) (レス) id: 676d8245fd (このIDを非表示/違反報告)
momoryu(プロフ) - さちさんコメントありがとうございます!これからも定期的に更新していくのでよろしくお願いします! (2019年8月8日 14時) (レス) id: 0d68fcd700 (このIDを非表示/違反報告)
さち - すごくおもしろいです。続きが早く読みたいです。よろしくお願いします。 (2019年8月8日 14時) (レス) id: 02606fd336 (このIDを非表示/違反報告)
momoryu(プロフ) - ベルモットさんありがとうございます!初コメントで感動してます。これからもちまちま更新していくので見守っていただけたら嬉しいです。 (2019年6月24日 19時) (レス) id: 0d68fcd700 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 読みました。夢主人公が黒の組織絡みだったり、好みの小説でした (2019年6月24日 15時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:momoryu | 作成日時:2019年6月17日 10時