バスジャック 126 ページ30
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この男は私がこっそり零に連絡しようとしていたのを止めた。
ということはこの人も他に仲間がいる事に気づいているのだろう。
(何なんだこのバス……)
怪しい人が多すぎる。
外国人の女の人に銃をいじられた事やベルモットといい隣の人といい、バスジャックの人達は気づかないのだろうか。こんなにも怪しいオーラが出ているのに。
そう思っているとなんだかとても落ち着かなくなり、胃がキリキリと痛みだした。
(もう早く帰りたい……)
「大丈夫か」
「えっ」
痛いお腹を庇うように鞄を抱きしめていると隣の人に声を掛けられた。
バッと横を見ると隣の人と思い切り目が合う。
(この特徴的な目と色……もしかして)
「ら、ライ……」
「やめてくれ、その名前は捨てたんだ」
赤井秀一……マスクしてたから全然気が付かなかった。
「まあいいが、それより具合が悪いのか」
「いやちょっと緊張でお腹が……」
痛いだけで。そう言おうとしたところで男が近づいてきたので黙る。
それにしても赤井と会ったのは何年ぶりだろうか。
たまにメールはするが会うのは確か赤井がノックだとバレて以来だ。
そうこうしている間に男2人はバスの通路に縦に並べるようにスキーの袋を置いて行く。
(これ……もしかして爆弾??)
もし予想が合っていたらこの乗客全員の命は無い。なら早いうちにケリを付けないと……でもどうやって?
と頭をフル回転させているとスキーの袋を触ろうとしていたコナンがまた男に見つかった。
「またおまえか……
早く殺して欲しいんなら、望み通りにしてやるぜぇ?」
そう言い男はコナンに銃口を向ける。
(不味い!!)
この男は本気だ、そう思って立ち上がろうとすると赤井に肩を掴まれて阻止される。
「っちょっと!」
「やめておけ」
「でも……!」
このままだとコナンが撃たれてしまう。無理矢理にでも助けにいくか、そう考えてるとベルモットの変装した男がコナンの前に出て庇った。
「止めてください!!ただの子供のイタズラじゃないですか!」
(…ベルモット)
意外すぎる行動に驚いていると、もう1人の男に「スキー袋に万が一銃弾が当たったらどうするんだ!」なんて言って止めさせられていた。
……ということはこれは爆弾で間違いないだろう。
「おい!そこの眼鏡の青二才と奥のカゼをひいた男!
前へ来い!!」
男がそう叫んだ。
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ふゆな(プロフ) - 初めまして!素敵な作品をありがとうございます。これからも頑張ってください👊🏻💗 (2022年5月4日 3時) (レス) id: 676d8245fd (このIDを非表示/違反報告)
momoryu(プロフ) - さちさんコメントありがとうございます!これからも定期的に更新していくのでよろしくお願いします! (2019年8月8日 14時) (レス) id: 0d68fcd700 (このIDを非表示/違反報告)
さち - すごくおもしろいです。続きが早く読みたいです。よろしくお願いします。 (2019年8月8日 14時) (レス) id: 02606fd336 (このIDを非表示/違反報告)
momoryu(プロフ) - ベルモットさんありがとうございます!初コメントで感動してます。これからもちまちま更新していくので見守っていただけたら嬉しいです。 (2019年6月24日 19時) (レス) id: 0d68fcd700 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 読みました。夢主人公が黒の組織絡みだったり、好みの小説でした (2019年6月24日 15時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:momoryu | 作成日時:2019年6月17日 10時