おつかい １１５ ページ19
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不思議に思いながらも零は指示通りAに近寄ると、Aは零にしか聞こえない位小さな声でボソリと呟いた。
「……ベルモットに呼ばれた。晩ご飯食べに行けなくなっちゃった」
今にも泣きそうになりながら帰る支度をするAに、先程の殺気に満ちた声を出した人物とは思えないと零は思いつつも、このまま見送るわけにもいかず零はAの頭を撫でる。
「…毎日メールするよ」
「絶対だよ？」
「ああ、それとこの仕事にカタが付いたら何処か出かけようか」
「……それ死亡フラグじゃん」
「え？」
聞きなれない言葉になにそれ、と困惑している零に、Aは誰もこちらを見ていない事を確認してから、零のジャケットを両手で引っ張りつつ背伸びをして頬にキスをする。
「……あまり無理しないでね。行ってきます」
そう言うと零は放心状態のまま「あぁ…」と生返事をしたので、Aは少し恥ずかしくなりながらも最後に小さく手を振ってオフィスを出た。
「ふ、降谷さん？どうかしたんですか……」
Aが居なくなった後も自分の頬に手を添えながら間抜けな顔をして突っ立っている零に、風見は声を掛けた。
(今日だけで今までに見たことのない顔をする降谷さんを何回も見るとは……あの子はある意味恐ろしいな)
風見は心配しつつも零に早く仕事を再開してほしかったのだが。
「天使……」
「は？」
未だにこんな様子の上司にこれはしばらく使い物にならないな、と内心ため息をつきたい風見であった。
＊＊
(……どうしよう、部屋を出たのはいいけどここからどうやって建物の外に出ればいいんだ)
その場の勢いで部屋を出たはいいものの、どこのエレベーターから来たのか分からなくなったAはその場で1人ウロウロしていた。
(流石にオフィスに戻る勇気は無いし……かと言って適当に階段とかエレベーターから降りるのも……入ってきた所から出れないと人目に付いちゃうし……)
「あれ？君は降谷さんの所の。こんな所で何してるんだい？」
ハッと声がした方を見ると零が部下達にAを紹介した時にいた人がいた。
「あの、帰ろうと思ったんですけど帰り道分かんなくて」
「なら降谷さんに……」
「いや！えっとその零は忙しそうだったから、その……入口まで案内しくれませんか？忙しくなければでいいんで……」
「？？いいですよ」
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ふゆな(プロフ) - 初めまして！素敵な作品をありがとうございます。これからも頑張ってください👊🏻💗 (2022年5月4日 3時) (
レス) id: 676d8245fd (このIDを非表示/違反報告)
momoryu(プロフ) - さちさんコメントありがとうございます！これからも定期的に更新していくのでよろしくお願いします！ (2019年8月8日 14時) (レス) id: 0d68fcd700 (このIDを非表示/違反報告)
さち - すごくおもしろいです。続きが早く読みたいです。よろしくお願いします。 (2019年8月8日 14時) (レス) id: 02606fd336 (このIDを非表示/違反報告)
momoryu(プロフ) - ベルモットさんありがとうございます！初コメントで感動してます。これからもちまちま更新していくので見守っていただけたら嬉しいです。 (2019年6月24日 19時) (レス) id: 0d68fcd700 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 読みました。夢主人公が黒の組織絡みだったり、好みの小説でした (2019年6月24日 15時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：momoryu | 作成日時：2019年6月17日 10時
