おつかい 113 ページ17
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ブーーッブーーッ、という携帯のバイブ音でAは目を覚ます。
(……あれ、寝ちゃってた)
ふあ……と欠伸をしながら携帯を手に取る。
画面には『快斗』の文字。Aは公安の人達の視線を謎に感じながらいそいそとオフィスを出た。
「もしもし?」
『おいA!!お前あのボウズの正体知ってただろ!!?』
一言目から快斗に大声を出され、反射的に耳に当ててた携帯を離す。
そして今ので完全に目が覚めたAは、快斗の言う“ボウズ”が江戸川コナンであることを察した。
「あ〜気づいた?」
『気づいた?じゃねーよバーロー!知ってて何で教えてくんねーんだよ!』
「いや、だって快斗なら自分で気づいた方が嬉しいかなと思って」
ニヤニヤしながら廊下の壁にもたれかかって喋っていると不思議そうな顔で目の前を通る大人達。
『まあそりゃあスッキリしたぜ。やっぱりアイツ只者じゃなかった。
それで一応聞くがその工藤新一を小さくしたっていう組織がAの入ってる組織か?』
「うん、そうだよ。
まあこの間、新一君とは話をして私は敵じゃないってことは知らせたけどね」
『それで名探偵納得したのか?』
「名探偵って呼んでるの?いいねそれ。
まだ少し納得はいってない感じだったけど大丈夫だよ」
『あ!俺のことは間違ってでも言うなよな!?』
「分かってるって。
で?電話してきたのはそれだけ?」
『あーまあな。でもまた近いうちに調べ物頼むかも。
例の件も調査進めてるぜ』
「分かった、ありがとう」
『おう、んじゃーな』
ピッと通話を切ってオフィスに戻ると、パッチリ零と目が合った。
「電話か?」
「うん、快斗から」
電話の相手を伝えると零は納得したのかまたパソコンと向き合った。
零のデスクの書類の量からしてまだ終わりそうにないと察したAは、ソファに戻って携帯を鞄に仕舞ったその時。
ブーーッブーーッ、とまた携帯が鳴った。
(またか……)
言い忘れていた事でもあるのかそれとも早速調べ物の事かと思いつつ仕方なくまた携帯を取り出して電話に出る。
「ちょっと快斗まだ何か……
『何を言ってるの?』
ってうわベルモット!?」
どうやら組織用の携帯が鳴っていたらしく、“ベルモット”という単語に零からの鋭い視線を感じた。
Aは慌ててオフィスから出ようと扉に手をかけたその瞬間。
『快斗って黒羽快斗の事かしら?』
「は???」
ベルモットの衝撃的な発言にとてつもなく低い声が出た。
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ふゆな(プロフ) - 初めまして!素敵な作品をありがとうございます。これからも頑張ってください👊🏻💗 (2022年5月4日 3時) (レス) id: 676d8245fd (このIDを非表示/違反報告)
momoryu(プロフ) - さちさんコメントありがとうございます!これからも定期的に更新していくのでよろしくお願いします! (2019年8月8日 14時) (レス) id: 0d68fcd700 (このIDを非表示/違反報告)
さち - すごくおもしろいです。続きが早く読みたいです。よろしくお願いします。 (2019年8月8日 14時) (レス) id: 02606fd336 (このIDを非表示/違反報告)
momoryu(プロフ) - ベルモットさんありがとうございます!初コメントで感動してます。これからもちまちま更新していくので見守っていただけたら嬉しいです。 (2019年6月24日 19時) (レス) id: 0d68fcd700 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 読みました。夢主人公が黒の組織絡みだったり、好みの小説でした (2019年6月24日 15時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:momoryu | 作成日時:2019年6月17日 10時