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はじまり 5 ページ6

「さ、降りてください」


声のした方を向くといつの間にかバーボンは外に出て助手席のドアを開けていた。
言われた通り素直に降りると、吹き上げた風と共に潮の香りがした。

涙で潤ったアイラの黒い瞳に太陽の光が差し、青い海を映す。



「……綺麗だ」

「…?」

「いや、何でもないです」


未だに涙を浮かべたまま呆然としているアイラの目元を、バーボンは自分の親指の腹で拭う。
そしてそのままアイラの手を引き、景色を見るために置かれたのであろうベンチに座る。


「綺麗でしょう、ここ」


そうバーボンはふんわりと笑い、いつもの胡散臭い笑みとは違う優しい顔にアイラは思わずドキッとして目をそらす。



「……僕のお気に入りの場所なんです」


海を見ながら今度は悲しそうに笑うバーボンに、この人も色々抱えてるのかなと察するも、アイラは聞こうとしなかった。


「そういえば、まだ返事を聞いてませんでしたね」


さっきの悲しい顔は何処へいったのやら、いつもの胡散臭い顔でアイラを見た。


「残りの人生、僕にくれませんか?」






「……意味が分からない」


先程と同じ事を言われたアイラは思わず眉を寄せる。



「詳しい話は返事を貰ってからですが……

あの時、僕が止めなかったら君は死んでいたでしょう?
それを、僕は止めた。
本当は君は命を捨てていたんです。だけど僕が拾った。

だから、これからの人生僕の為に生きてほしい。
後悔はさせない、君が欲しいんです。

君を……幸せにしたい」


人生で一度言われるか言われない位ドラマのような台詞を一気に言われ、アイラは照れるどころか呆気に取られてしまった。


「それって……」


どういう意味なのだろうか。

告白??いや、アイラは14歳だ。冷静に考えるとありえない。しかしあのバーボンの真剣な目を見てしまえばそういう意味でもおかしくない。

そうアイラは頭の中で考えるが、バーボンとは違い恥ずかしいので聞けない。

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momoryu(プロフ) - さちさん、コメントありがとうございます!ちまちま頑張って続けていくのでよろしくお願いします。 (2019年8月8日 6時) (レス) id: 0d68fcd700 (このIDを非表示/違反報告)
さち - すごくおもしろいです。続編も期待大です。よろしくお願いします。 (2019年8月8日 3時) (レス) id: 02606fd336 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:momoryu | 作成日時:2018年11月7日 9時

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