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FBI 46 ページ47

Aが警戒しているのに気が付いたライはハハッと笑って両手を上げた。


「すまない、取って食おうとはしないさ」


“とは”とは。

更に警戒を強めたAをよそに赤井は言葉を続けた。


「君には落ち着いたら会いに行こうとは思ってたんだ。
まさかこんなに早く会えるとは思わなかったがな」

「……何」


ここに長居するのは危険だ。
他のFBIの人たちをチラッと見るが幸いここは物陰なので気づかれていない。
……この人が私の事を知らせなければ、だが。

そう思ったAは早く要件を言うよう急かした。
ノックだとバレて逃げてる以上、組織の一員をこんな近くで見つけてタダでは帰さないだろう。

Aはゴクリと唾を飲んで赤井から目を離さない上に周囲に気を張った。




「君をFBIに勧誘したいんだ。
君の銃の腕ならたくさんの人を救えるだろう。

それに、君は組織のしている事を好んでいない。
君が望んで任務をしてないことくらい見てて分かるさ。

どうだ?一緒に来ないか?」


「……生憎人に向けて撃ちたくないんで」



「それなら今みたいにハッキングをしてくれるだけでも十分助かるさ。
組織とは違って正しいことをして人の役に立てるぞ?」

「……」


そこまで言われてAは返す言葉が無くなった。

(FBI……か)

もし零に出会っていなかったらこのまま赤井とFBIに逃げていただろう。

だが今のAには零がいる。
人の役に立ちたいのは確かだが零を捨ててまで別の国に逃げるのはごめんだ。

赤井には悪いがAの答えはすでに決まっていた。



「…ごめんなさい」


気まずくなって俯きがちに断ると赤井は予想外の答えだったのか大きく目を開いた。


「何故だ?組織は危険なんだぞ!?
君が断るメリットなんてあるのか!?

まさか、誰か人質に取られていたりするのか!?」


赤井が険しい顔をしてズカズカと近づいてきて肩を揺すられる。
肩を掴む手の力が強くて地味に痛い。


「いや、そういうわけじゃ……。
確かに組織は嫌いだけど……」

「だったら何故!?」

「………ごめんなさい」


零の事は言えないのでもう一度謝ると赤井は肩を掴んでた手をパッと離して自分の頭をガシガシと掻きながら大きくため息をついた。


「……まさか断られるとはな。予想もしてなかったよ。
本当だったら引っ張ってでも君を連れ去って組織から離してたんだが、君にも何か理由があるんだろう?

仕方ないが今回は諦めるさ」

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momoryu(プロフ) - さちさん、コメントありがとうございます!ちまちま頑張って続けていくのでよろしくお願いします。 (2019年8月8日 6時) (レス) id: 0d68fcd700 (このIDを非表示/違反報告)
さち - すごくおもしろいです。続編も期待大です。よろしくお願いします。 (2019年8月8日 3時) (レス) id: 02606fd336 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:momoryu | 作成日時:2018年11月7日 9時

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