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家族 40 ページ41

今回任された仕事は名の知れた医療施設の裏を探る事。
零によるとその施設は裏で何か怪しい事をしているらしい。

世の中知らない方が良い事が多いけど組織の仕事やゼロの協力者をしてる以上そういった事は避けられない。
昔は何もかも疑心暗鬼になったりしたが、今はもう慣れた。



「そう言えば快斗」


Aはブルーライトカットのパソコン用メガネを掛け、ハッキング用のUSBを差し込みキーボードをカタカタと打ちながら向かい側に座っている兄の名前を呼ぶ。


「学校は良かったの?」

「あぁ、どっちにしろあそこでしばらくサボってから行こうと思ってたし別に問題ねーよ」


だって俺、成績は良いし?とウインクをする快斗に思わず笑いが漏れる。
その謎の自信はどこから来るのやら。
まあ言ってる通り成績は良いんだろうな。

ずっとカタカタ打つだけなのは億劫なのでAは会話を続ける。


「あの時何してたの?」

「マジックの練習だよ。俺も結構上手いんだぜ?」


そう言って快斗はAの目の前に手を差し出し、ポンッという音と共に赤いバラを出現させた。


「わ、凄ーい!!」


Aは思わずキーボードの手を止め、バラを受け取る。


「どうやったの?」

「へへーん、秘密。
今度教えてやるよ」


やった、とこれからの楽しみが1つ増えつつ作業を再開すると、ジュースのおかわりを持ってきてくれた。



それから怪しい所を見つけたので、集中してハッキングをしまくりデータの奥まで潜り込むこと30分。




「……あった、これだ」


零に言われてた医療施設の裏のデータが出てきた。
集中したせいで乾いてた口の中をジュースで潤す。

そしてトラップが無いことを確認し、データを足が付かないようにコピーしてスマホで零に『あったよ』とデータと一緒に送る。


ん〜〜、と伸びをして固まった身体をほぐし、
『了解』と返事が返ってきたのを確認してホッとため息をつく。


そういえば快斗は?と辺りを見回すとソファーに座ってテレビを見ていた。

せっかく会えたのに待たせちゃったな、と思ってると視線に気づいたのか快斗がこっちを向いた。


「ん、終わった?」

「うん」


パソコンを鞄に戻し、快斗の隣に座る。


「もうこんな時間だけどお昼ご飯どうする?」


作業をしてる間にとっくにお昼を過ぎていたようだ。


「家に何かある?」

「なんもねえ。それ以前に料理すら出来ねえ」

「はは、私も出来ない」

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momoryu(プロフ) - さちさん、コメントありがとうございます!ちまちま頑張って続けていくのでよろしくお願いします。 (2019年8月8日 6時) (レス) id: 0d68fcd700 (このIDを非表示/違反報告)
さち - すごくおもしろいです。続編も期待大です。よろしくお願いします。 (2019年8月8日 3時) (レス) id: 02606fd336 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:momoryu | 作成日時:2018年11月7日 9時

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