家族 37 ページ38
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「はぁ〜……変に疲れた」
朝早くから射撃場にいた為、アジトを出たのがまだ昼前だった。
零も今は仕事だし、せっかくなのでAはリラックスしながらゆったり帰る事にした。
(天気もいいし、平日だから静かだし。今日は気持ちがいいな)
鼻歌を歌いながら川沿いをのんびり歩いていると、この時間帯にも関わらず、高校生位であろう学ランを着た男の子が1人川の近くに座っているのが見えた。
気になって近づいて行くと手元で何かを熱心にしているのが見えた。
(学校サボってまで何してるんだろ)
さりげなく更に近づいて、男の子の手元を見ようとした瞬間、気配がしたのか男の子がバッとこちらを振り返った。
「誰?
……って……A?」
「……え?」
(なんでこの人は私の名前を知ってるんだ?
いや待て、この人私知ってる……何処だ?何処で会った?)
そう思った瞬間、Aの頭に激痛が走り、昔の記憶がフラッシュバックした。
――――おにいちゃん?……ねえ、
おかあさん、おとうさん、どこ?――
――なんだこのガキ………迷子か?―――
―――………誰?―――
――――丁度いい、実験体になるやつ探してんだ。
コイツ連れて行こうぜ――――
―――おう、これで探す手間が省けたな―――
―――っ、や!やめて!!!
た、誰か助けて!!―――
―――っ、黙れ。おい、こいつ眠らせろ―――
―――助け………おにいちゃん………―――
「…………い!
…………おい!A!?」
男の子に肩を揺さぶられてAは我に返る。
(………そうだ。誘拐されたんだ私……組織の一員に。そのせいで私は……)
「大丈夫か?いきなり頭抱えて……それよりもお前、Aだよな!?今までどこで何してたんだよ!?ずっと心配してたんだぞ!?父さんと母さんだって……!!
……A?俺の事、覚えてるか?」
「かい…………と?」
(そうだ。そうだった。私には兄がいたんだ。
いつも、どんなときもずっと一緒にいたのに……確か、あの時は迷子になって……)
「そうだ、快斗だ。俺はお前の双子の兄の……ってA、お前顔色悪いぞ?大丈夫か?
とりあえず色々聞きたい事もあるし家に……」
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momoryu(プロフ) - さちさん、コメントありがとうございます!ちまちま頑張って続けていくのでよろしくお願いします。 (2019年8月8日 6時) (レス) id: 0d68fcd700 (このIDを非表示/違反報告)
さち - すごくおもしろいです。続編も期待大です。よろしくお願いします。 (2019年8月8日 3時) (レス) id: 02606fd336 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:momoryu | 作成日時:2018年11月7日 9時