熱 ２８ ページ29
生憎仕事がまだ残ってた零はベットに座り、ノートパソコンをカタカタと操作しつつ横で布団に入っているAを撫でる。
Aはしばらくぼーっと仕事の様子を眺めていたが、いつの間にか気持ち良さそうに眠っていた。
(たまにはこういうのもいいかもな……)
「ん……」
頬を撫でると手が冷たくて気持ちがいいのかすり寄ってきたAにちゅっとおでこにキスを落とし、仕事を再開した。
＊＊
「口を開けてください。
……喉も大丈夫そうですね。
おそらく疲労でしょう。何か心当たりはありますか？」
「あー……
実は先週引っ越したばかりで……一昨日も出かけましたね」
次の日になっても熱が下がらなかったAは、零と病院に来ていた。
ちなみに朝ごはんは零お手製の、フルーツがたっぷり入ったヨーグルト。完食した。
「失礼ですがお二人の関係は？
苗字が違うようですが……」
そう言い不思議そうにカルテを見る先生。
それもそのはず、問診票にはAAの名前と、その横の“保護者の名前”の欄に“安室透”と記入してある。
見た目からしても血のつながった家族だとは思わないだろう。
「養子みたいなものです。先週から一緒に住み始めたので。な？」
急に同意を求めてきたのでAは素直に頷く。
それを見た先生は何かを納得した様にしゃべり始めた。
「そうだったんですね、分かりました。
この子は多分あなたと暮らし始めて緊張していた糸が慣れてきて切れたんだと思いますよ。
養子の子だと多いんですよ。ホッとして熱を出す子。
いわゆる知恵熱ってやつです」
「そうだったんですね……」
「では解熱薬出しておきますね。お大事に」
「ありがとうございました」
二人でペコリと先生にお辞儀をして待合室に戻る。
後は薬を貰うだけだ。
「もう少しで帰れるからな」
零は診察室を出てからずっと自分の腕を握っているAを安心させるようにそう言う。
一昨日のお出かけと昨日の事もあってAは良く零に引っ付くようになった。
どうやらAは病院が初めてのようで、怖いのか落ち着かなさそうにしていた。
今までは風邪をひいたら研究所に行って薬を貰ってたらしい。
薬の呼び出しを待ちつつ零はさっき医者の先生が言っていた事を思い出した。
(緊張が解けた……のか)
確かに最初はあった壁が無くなってきている気がして、嬉しく感じた。
「そういえば、今まで学校とかはどうしてたんだ？」
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momoryu(プロフ) - さちさん、コメントありがとうございます！ちまちま頑張って続けていくのでよろしくお願いします。 (2019年8月8日 6時) (
レス) id: 0d68fcd700 (このIDを非表示/違反報告)
さち - すごくおもしろいです。続編も期待大です。よろしくお願いします。 (2019年8月8日 3時) (レス) id: 02606fd336 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：momoryu | 作成日時：2018年11月7日 9時
