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はじまり 11 ページ12

「これで最後?」

「うん、大丈夫」


すっかり空になった部屋を見渡し、大家さんに鍵を渡して車に乗り込む。


「帰る前にスーパー寄っていいか?冷蔵庫が空なんだ」

「わかった」




**




「何か食べたいものあるか?」

「んー……」


買い物カートをコロコロと押す零について行くアイラは周りの視線が気になって仕方がなかった。

それもそのはず、すれ違う人全員が零を目で追っている。

(誰が見てもイケメンだもんな……。でもこう目立つのは組織の人としても警察としてもどうなのか……)

そう思いアイラは心の中で苦笑いするが、零は全く気にしてない様子なので視線は無視することに決めた。


「バーボン料理出来るの?」

「得意な方だよ。食べたいもの、思いついた?」

「……じゃあ肉じゃがが食べたい」

「りょーかい」


そうと決まれば、と零は楽しそうに肉じゃがの食材の品定めを始めた。


「他に食べたいものとかある?」

「味噌汁とか……」

「はは、和食が好きか?」

「今の気分だとそうかな……」


.




そして無事買い物も終わり、新しい家に向かう途中。


「そういえば、名前を聞いてなかったな」

「あぁ……A」

「苗字は?」

「A。AA」

「Aか……。あ、二人の時は零と呼んでくれ。そして外では僕は安室透。こっちは好きに呼んでくれて構わないよ」

「分かった。……あ、名前調べても出てこないよ。
自分で調べてみたし……」

「…偽名か」

「うん、でもベルモットが下の名前は本名って言ってたから。
本当の苗字は覚えてないけど……」

「そうか…」


車内が一気に静まり返る。
するとしばらくして零がボソッと呟いた。


「降谷に……」

「?」

「降谷になるか?」

「………え?」


赤信号で車が止まり、Aをじっと見つめる。
その一方でAは意味深な発言に戸惑っていた。


(これこそプロポーズ???いやいや、んな訳ないでしょ、
なら養子って事?バーボン…零が父か?いや兄??)


「あ、でもまだ14歳だったな……婚姻届はまだ早いか……」

「……」


婚姻届とかいうワードが聞こえたがAは聞かなかったことにする。


「まあ細かい事は置いといて、Aは今日から降谷Aだ。まあ表向きはAだが…。
いいね?」

「え、あ、うん」


また色々と話が勝手に進められたが、今回もあまり考えないでおく。

Aにとっては、この人に自分の人生を捧げてしまった訳で。

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momoryu(プロフ) - さちさん、コメントありがとうございます!ちまちま頑張って続けていくのでよろしくお願いします。 (2019年8月8日 6時) (レス) id: 0d68fcd700 (このIDを非表示/違反報告)
さち - すごくおもしろいです。続編も期待大です。よろしくお願いします。 (2019年8月8日 3時) (レス) id: 02606fd336 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:momoryu | 作成日時:2018年11月7日 9時

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