はじまり １０ ページ11
「落ち着いた？」
あれからしばらく泣き続け、ようやく落ち着いてきたアイラは、零にコクコクと頷きながらティッシュで鼻水をかむ。
(……やばい)
もう１４歳だというのに小学生並みに泣いてしまい、今になって恥ずかしさが込み上げてきた。
アイラがそう思ってるとはつゆ知らず、零は「これは目元が腫れそうだな…」とハンカチで涙を拭いている。
「あ、家の事なんだが。
出来れば今日からでも一緒に住んでもらいたいんだ、どうかな？」
「え、うん」
「なら早速荷物を取りに行かないとな。
家は何処だ？」
「坏戸町……」
「よし、近くなったらナビしてくれ」
そう言い車が動きだしたので、アイラは慌ててシートベルトをする。
(なんか流れに任せちゃったけど大丈夫だろうか……)
今になって不安になってきたアイラだったが、元はといえば死ぬつもりだったのでもうどうでもいいや、と深く考えるのを止めて外の流れゆく景色を眺めた。
＊＊＊
「取り合えず、車に詰めれるだけ運ぼうか」
アイラのナビにより、家(アパート)にたどり着いた2人は、早速引越し作業に取り掛かった。
「あ、パジャマは僕が用意してあるから心配ない」
「え、じゃあ今使ってるのは？」
「それは予備に置いておこうか」
パジャマだけ何で用意してあるんだ、とアイラは思ったがあえて何も聞かない事にする。
アイラがせっせと衣類を鞄に詰めている時、零は小さいテーブルの上に置かれた巾着袋を見つけた。
(やけにパンパンだな……中身はなんだ？)
アイラが作業に集中しているのを横目で確認し、中身を覗くと色んな薬が沢山入っていた。
(後で調べるか……)
「これ持ってっていーよ」
アイラがパンパンになった鞄をポンポンと叩き、また作業に取り掛かった。
どうやら気づいてないようで零はホッとし、巾着袋を元の場所に戻して重くなった鞄をアパートの前に止めた車に詰めた。
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momoryu(プロフ) - さちさん、コメントありがとうございます！ちまちま頑張って続けていくのでよろしくお願いします。 (2019年8月8日 6時) (
レス) id: 0d68fcd700 (このIDを非表示/違反報告)
さち - すごくおもしろいです。続編も期待大です。よろしくお願いします。 (2019年8月8日 3時) (レス) id: 02606fd336 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：momoryu | 作成日時：2018年11月7日 9時
