29話 ページ29
教室に戻ることは今は辞めときなさい、とあんずちゃんや先生に言われたため昼間にも関わらず私は家に居る。
ベットの上に一人体育座りをしているだけ。
カバンの中にはいったパンの袋を見る度に罪悪感と一緒に泣きたい気持ちが芽生えてくる。
「どうしたらいいのかな…」
正直不安でしかなかった。
あの後あんずちゃんが話したものはこうだ。
向こうがとても複雑な作戦を練っているのならこんな脅しみたいな手紙は送ってこないはず。愉快犯じゃない限り危害を加えることに少しは抵抗があるわ。元から狂ってるならまた別の話だけれども。
あたしが考える向こうの目的は、単純に、Aちゃんがこの夢ノ咲学院に居るとどこかからの噂かなにかで知って、気に食わないんだと思う。顔と性格の癖が凄い人も居るけどファンの前ではとても顔が良い彼らと一緒に居る女ときたら嫉妬しか無いと思う。
長い話をしたけれど馬鹿な奴らなら危害を加える気はそうそうない。馬鹿が馬鹿通り越したら危ないけど、その前にこちらから行動するよ。
ここまで言ったあんずちゃんはまた別の真っ白の封筒を取り出した。
「これを送ればアイツらは簡単に引っかかると思うわ。先生に許可はとってあるから」
中身を見ると真っ白の便箋が入っていた。
内容は、
『大切な話があるから月曜日の午後４時にあの場所で待っていて。 咲崎A』
というとても簡易的なものだった。
「あの場所、って…」
「Aちゃんとあたしが初めて通りすがったあの場所。あたしはあの時なにもしてあげられなかった。だから今、あたしはなにをしてでもあなたを助けたいの…！アイドル科のみんなも大切よ。でも！同じくらい…ううん、それ以上にあなたは大切だから…」
保健室での出来事を思い出すと少し頭が痛くなった。
幸せな今でも恨めしい過去をまだ引きずっている。まだなにも忘れてなかった。
ホロホロと少しずつ涙が流れていく。
毛布をぎゅっと握りしめる。
「ヒック、ひっ、く…」
ぶつけられない怒りと抑えられない涙が混ざっているようだった。
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あいらいす(プロフ) - コメント失礼します！わたしはみつる推しなのですが、なかなかメインのモノがなく…こちらやっと見つけて読ませていただいたのですがとてもキュンキュンしました(*´-`*)めちゃくちゃ感動してます…！続き楽しみにしてます！頑張ってください☆ (2016年5月7日 23時) (
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作者名：柚日 | 作成日時：2016年4月23日 0時
