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☆《モトキ》散髪 ページ11

「なんでまたこう急なのかなー」

「さっき思いついたから?」

「やはりか」


彼女が事前に用意していたブラシで

背中まである髪をとかす。

ゆるくパーマのかかった髪は

細く、柔らかい。


「やっぱ男の髪とは違うな」


前に1度、メンバーの髪を切ったことはある。

その時とは明らかに違う手触りがした。


「ほんとー?へへー、照れる」


にししと笑いながら

嬉しそうに体をゆらす。


「ゆれるな鋏刺さるぞ」

「あ、やだ」


耳元で鋏をしゃきんと鳴らす。


「うぁーその音嫌い」

「残念俺は好きだから」

「ありえな」


うげーと

本気で嫌そうに彼女が呻いた。


「で、どんくらい切るの?」

「んー適当で」

「じゃバリカンとってくるわ」

「嘘ですベリショにしてください」


慌てた様子で振り返る。


「ベリショ?そんなに短くすんの?」

「そんなに短くするの」

「それって何、マサイくらいってこと?」

「それくらいだね、うん」


ふとさっきの雑誌の見開きを思い出す。

写真の女の子も

あれほど短くはなかった。


「短すぎじゃね」

「中途半端なショートはあつい」

「そんなもんなんだ」


マサイくらいのショートなら

俺でもできるかな、と思った。


「できる?」


できるでしょ?

そんな目で彼女が俺を見上げた。


「できねぇっていってもやれっていうだろ」


そんな彼女の頭を掴んで前を向かせた。


「わかってるじゃん」


少し嬉しそうに呟いた。








※めずらしく続きます

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林檎 - 長文失礼しました。更新頑張ってください! (2016年7月27日 23時) (レス) id: 8eb33a0bf7 (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - 面白かったです!余談ですが、風邪を引いたときにウィダーインゼリー飲む人ですか?ぺけたんの話を見ていたら、出てきたので・・・私はお粥があまり好きではないので、ずっとウィダー飲んでいますw (2016年7月27日 23時) (レス) id: 8eb33a0bf7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:HERMÈS | 作成日時:2016年6月26日 16時

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