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あの日からどれくらい経っただろうか。

Aは俺に懐き、
俺によく笑うようになった。

俺は極力一人にさせないために
任務が終わるとすぐに屋敷へと帰っていた。

何度か宇髄に訳を聞かせろと言われた。
いつも任務が終わればすぐに帰っている
そう告げていたはずなのに
なぜか怪しまれていた。

俺は、今の生活があるのなら
何でもよかった。


義『帰ったぞ』

Aは俺の帰る時間に合わせて
必ず起きている。

Aは料理と裁縫が得意だと言っていた。
掃除や洗濯も出来るのだが、
なぜか毎回傷を作る。

だから、それはやらなくていいと言った。

「義勇さん!おかえり!」

廊下を走ってくる姿が
毎日のことなのに心が温かくなる。


義『走るな、歩け』

そう告げると、Aの頭を撫でて
居間へと向かう。

義『今日は何もなかったか』

「うん、ちゃんと寝られたよ」

誇らしそうに笑うその姿に
ふ、と鼻で笑ってしまう。


手際よく並べられた手料理。
その中にはいつも鮭大根がある。

Aの存在と鮭大根の存在が
俺を動かす活力だ。


俺は手を合わせた後、鮭大根を頬張る。
自然と頬が緩み始める。


「どう?今日も美味しく出来た?」


義『ああ、今日も美味い』


俺は頷きながらどんどんと食べ進める。





「あ、今日宇髄さんっていう大きな人が
 屋敷に来たよ?」





俺は箸を止めてAを見た。


何か変わった事があっただろう、
そう思って見つめていると

文が届いた。

宇髄からだった。


明日の昼、柱会議
Aを連れてこい


そう書いてあった。


俺はため息を吐きながら箸を置くと、
不思議そうにしているAを見つめる。



義『明日はAも出かける』


その言葉に目を輝かせ始めた。

「えっ?私も!?」


それもそうだった。
Aを傷付けないよう
家に閉じ込めていた。

出れるのは屋敷の庭のみ。


初めて外に出れることに
今までにないくらいの喜びだった。


義『そんなに外に出たいか』

俺はやはり選択を間違っていたのか。
閉じ込めない方が幸せだったのか。



「出れることよりも、義勇さんと一緒なのが
 すっごく嬉しいよ」



義『……(愛らしい)』


義『そうか、ならば明日は早めに準備しておけ』



「はーい」


のんびりとした口調と共に
食べ終わった皿を片付けていくA、



内容は話さなくてもいいか、と
心の中で解決していた。

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作者名:momopara427 | 作成日時:2022年4月14日 10時

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