検索窓
今日:16 hit、昨日:5 hit、合計:25,628 hit

35 ページ36

暫く甘味処でAが
みたらし団子を食べているのを見ていた。

輩の視線が苛々させる。
何をそんなに見る必要がある。
食べ終わった所で、
立ち上がると勘定を済ませる。

小『さっさと出るぞ』

先に店から出ると、溜め息を吐く。
あそこまで視線を感じるのに
なぜAは平然てしてられるのか。


「お待たせ、行こっか!」


帰りはAのペースに合わせて
歩いて帰る。

前方に人集りが出来ていた。
なにかやっているのか。
もう夕刻近いはずだが。


『こりゃひどい…』

『あんた!あんたぁ!』


泣き叫ぶような女の声、
その時Aが走り出した。
俺は予想していなかった、遅れをとりながらも
Aの後ろをついていく。




そこには腹部から大量出血している
一人の男がいた。
そこに座り込み泣き叫んでいる女、夫婦か。

あんなに血が苦手なAが
気にも止めず男の腹部に手を当てる。


「お父さ…だめ、死なないで…!」


お父さん?そいつはお父さんではない。
自分の父と被っているのか。

Aが泣きながら腹部に手を当てる。
Aから淡い光が溢れ出す。

しまった、一般人がいる。


俺は咄嗟に風のように周りを走り抜き
砂埃をあげる。

砂埃が周りを包み込んでいる間、
Aの様子を伺う。

特に変わった様子はなさそうだ。
砂埃が落ち着いた頃、
Aを抱き上げて木の上へ飛び移る。

2人で男性の様子を見た。
起き上がっている、
傷がないと騒いでいる。


「よ、か…った…」

小『何も良くない。一般人にその力を見せるな。
  Aは特別な人間だ、そのような力が
  あると分かれば鬼じゃなくとも攫われるぞ』


「ごめ…」


Aの様子がおかしい。
汗を浮かばせ、呼吸が速い。
そして体温が異常な程高くなっている。

小『…蝶屋敷へ行く』



力尽きたように脱力したAを
抱き上げると蝶屋敷へと急ぐ。

慣れない力を使ったせいだろう。

だが、あれは自分の意思で出すことが出来たのか。
それとも偶然なのか。


それも聞き出すしかない。

あの光の中にいるAの表情も気になった。
あんなに泣いていたのに、
治癒している間、冷静になっていた。

本人は覚えているのか。


俺は腕の中にいるAの存在が
少し遠く感じた。

36(胡蝶視点)→←34(小芭内視点)



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.5/10 (24 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
66人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 愛され
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:momopara427 | 作成日時:2022年4月14日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。