舞い上がる【鬼滅の刃】 (ページ33)

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俺は煉獄と一緒に
蝶屋敷へと向かった。

前回の採血である意味地獄を見た、
今回はなるべく早く終わらせてやらねぇと
煉獄には刺激が強すぎる。

俺たちは診察室の中へと入った。

そこには部屋の片隅で膝を抱えて
座りこんでいるAがいた。

宇『派手に可愛いなオイ』

煉『A、どうしたんだ』

煉獄が近寄ると一緒にしゃがみ込み、
頭を撫でている。

「採血…嫌…」

辛うじて聞こえるくらいの大きさの声だ。

煉『そうか…だが、これは俺達の助けになる。
　すぐに終わらせよう、頑張れるか？』

煉獄の言葉にゆっくりと顔を上げるA。
その目には涙が溜まっていた。

「本当…？」

煉『…愛いぞ』

宇『なんでいつもそうなんだよ』

し『わざわざありがとうございます、
　 Aさん、すぐに終わらせますからね』

胡蝶の声に身体を跳ねさせるA。

宇『前回は俺が椅子に座ったから、
　今回は煉獄に座らせる』

そう告げると、煉獄の近くに椅子を置く。

煉『俺は座って何をすればいいのだ？』

煉獄は椅子に座ると不思議そうに胡蝶を見た。

胡蝶は注射を準備しながら
目を合わせずにこう言った。

ただ座ってるだけでいいです。

煉『…本当にこれで合っているのか？』

Aを向かい合わせに煉獄の上に
座らせた。

Aは煉獄にしがみついている。
俺はAの頭をゆっくりと撫でて
落ち着かせるように声をかけた。

宇『わかるな？長引かせると余計に怖くなっから
　一回ですぐに終わらせようぜ』

煉獄の肩に顎を乗せて俺を見上げるその姿、
くそほど可愛いと思ってる。

し『では、煉獄さん、動かないように
　少し強めに抱きしめて下さい』

煉『…うむ、失礼する！』

煉獄が背中に手を回しAを強く抱きしめる。
俺はAと目線を合わせ
笑顔で言葉を繋げる。

宇『これが終わったら、甘味処行くか』

「うん、っ…いきたい…！」

恐怖心からか呼吸が速くなり始める。

し『それでは、いきますよ』

消毒液を塗られると、Aが強くしがみつく。

煉『(思ったより色々と刺激が…！)』