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そこには短時間であったはずなのに
品数が多く彩鮮やかなご飯が並んでいた。
宇『…ほぉ、すげーなこりゃ』
あまりの多さに驚きながら
座布団に座り眺めている。
たしかに、こいつの腕前はすげェと思う。
「お口に合えばいいんですが…」
不安そうに見つめているAに
宇髄は頭を撫でた。
宇『俺にも口調を崩していい。
それに見た目でわかる、口にぜってぇ合う』
手を離すといただきます、と食べ進める。
宇『派手に美味いじゃねえか!
こんなの冨岡毎日食ってたのかよ!』
あまりの美味しさに箸が止まらない様子だ。
不『俺もそれは思っててよ、なんか昨日
知らない間に殺意が湧きやがったァ』
「なんで殺意なの?」
宇『あー、それはいつかわかることだから
Aはまだ知らなくていい』
まだ恋すらしたことないAに
この気持ちは早いだろうと宇髄が切り上げる。
「そういえば…食材がもう無くて、
良かったら一緒に買い出し行ってくれる…?」
あまり人に頼むのが得意ではないのだろう、
申し訳なさそうにお願いする様子は
2人して母性が出そうになった。
不『俺は構わねェ』
宇『俺は不死川に襲われないか心配だから
ついていってやるよ』
不『宇髄ィ!Aの前で変な事言うんじゃねェ』
「私不死川さんに襲われるの?」
宇『あぁ、ド派手にやられるぞ。立てなくなるぜ』
不『宇髄、表出ろォ!』
宇『冗談だよ、じょーだん』
笑いながら食べ終わった皿を片しにいく。
「あ、そこに置いておくだけで大丈夫だよ、
たくさん食べてくれてありがとう!」
不『俺が洗っておいてやるから
Aは支度してこい』
「えっ、いいよ、大丈夫、やるから!」
慌てたように不死川を止めるA
宇髄がAの方向を変えて
部屋へと押していく
宇『ほら、早くしねぇといいもんなくなるぜ』
「う、うん…ありがとう、不死川さん!」
観念したのか自身で部屋に入り
支度を始める。
その間俺と宇髄は、皿を片していた。
「お待たせしました!」
普段から整った顔をしているが
出先用にと化粧をすると
さらに可愛さよりも色気が増していた。
俺と宇髄は一瞬言葉が詰まる。
宇『すげぇな、…雰囲気が違ぇ。』
不『いつもそうやって街に行ってんのかァ?』
「うん、……変…?」
不安気に見上げるAに
胸が高鳴り始める。
宇『いーや、派手にいい女だ』
こういう時宇髄の慣れている感じが
少し羨ましくなる。
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作者名:momopara427 | 作成日時:2022年4月14日 10時