こんなんどーでしょ！？６

# うっかりぱぱさん ページ5

ふかパパ＋らう




カタカタ…、とキーボードを鳴らす正午すぎ



突然鳴り響いたスマホの着信に目を向ければ
" 幼稚園 " の表示



なんかあったかなぁ…？
なんて考えながら電話に出る



「はい、深澤です。」

「あ、良かった！繋がった！
深澤さん、ラウールくんお迎え来られそうですか？」

「…えっ？……待ってよ、え…」



慌ててカレンダーを見れば
今週は第2水曜日で、今日は午前保育の日


やっばい、お迎えすっかり忘れてた



「すみません！今週午前だけなのすっかり忘れてました…
お待たせして申し訳ありません、すぐに向かいます！」


「いえいえ
お待ちしてますので気をつけていらしてください」



先生にお礼を言って電話を切った後
慌てて家を出る準備をして


リモートとは言え服装はスーツだったから
財布と鍵とお迎え許可書だけ持って
急いで家を出る



自転車をかっ飛ばして15分ほどで幼稚園に到着



「すみません、遅くなりました！深澤です」

「ありがとうございます、ラウくんパパ来たよ〜」



ぜーぜー息切れして汗だくの俺を見てびっくりしてた先生が
奥から息子を連れてやって来る



「ぱぱ！」

「ごめんなぁラウ、お待たせ」



ぴょん、と飛びついてきたラウールを抱きとめて
よしよしと頭を撫でながらお迎えが遅れたことを謝っていると



「ねぇ、ぱぱぁ…？」

「ん？なに、どうしたの？」

「ぱぱの時計こわれちゃったのぉ？」

「…時計？」



なんの話だ？なんて思いながら
頭に沢山ハテナを浮かべていると



「ぱぱの時計こわれちゃったから、
ラウのお迎えおそくなっちゃったんでしょ？」


と、ラウールが小首を傾げる



…なるほど。そう言うことか。



周りの子たちのお迎えがどんどん来る中
自分はなかなかパパが来なくて不安になってるラウールに


先生たちが気を利かせて


パパが忘れててお迎えに来ない

じゃなくて

パパの時計が壊れちゃったから遅れてる


って説明してくれたんだ



不安な中待ってる子がもっと不安にならないようにって
先生たちの優しさだなぁ、と改めて感謝する



「ぱぱ来てくれてよかったぁ」

「ラウ、待っててくれてありがとね」



ぎゅっと抱きしめた腕の中のラウールが

きゅるりと俺を見上げて嬉しそうに微笑んだ



○△□

某SNSで拝見した素敵エピソードより


午前保育なのすっかり忘れてて
お迎え遅れちゃう うっかりふかパパと

先生の優しい嘘には気づかない純粋なラウちゃん

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