こんなんどーでしょ！？５

# なみだのしょたいめん ページ48

ふかパパ＋めめ




ご機嫌取りのおやつと着替えも持ったし…


よし、準備OK。



お出かけ前にカバンの中身を最終チェックしているパパなんて
もちろん眼中にない息子がたたーっと目の前を横切る



「ストーップ！れん、ズボン逆 笑」

「んー…？」



前後ろ逆に履いたズボンに
多少の違和感すら抱いていないこの子の頭の中は
きっとこれから会える憧れの彼でいっぱいなんだろうな



「みてごらん？おしりのポケット前にあるね？」

「………ほんとだぁ…」



ポケットをつんつんと指させば
じーっと見つめて不思議そうにそう呟く



お洋服は上手に着れるようになったんだけどね
ズボンはまだちょっと難しいか


と、ウエストに手をかけて脱がせてやって
くるりと反対向きにして足を通せば



「ぱぱ、れんくんかっこいい？」

「うん、カッコいいよ」



憧れの存在に会うために
いつもよりカッコいい自分でいたいと願うのは
こんな小さな子も共通なのだと
なんだか少し感心しつつ


危うく後ろ前になったズボンで
初対面を果たすことになりそうだった息子は
ほっと胸をなでおろす



「よし、じゃあそろそろ行こっか」



しっかり戸締りもして

蓮の小さな手を握る


袖を通した一張羅は

まさに今日この日のために用意したのかな？と思うほど



服にズボンに靴下に靴

上から下まで彼一色に染められた息子は

間違いなく彼の大ファンだからきっと喜んでくれるはず



「蓮、今から電車乗るよ？うるさくしない、ね？」

「あいっ！」



元気よく右手をあげる蓮の頭を優しく撫でてやって


「れんくん、でんしゃぴっしたい」


ってICカードをかざすのだけは
電車の中で静かにしてる約束でやらせてあげて


少し離れたショッピングモールへ
電車に揺られることおよそ20分




「先にお昼ご飯食べちゃおっか、蓮なに食べたい？」

「れんくんねぇ、えっとぉ…ちゅるちゅるたべたい！」

「ちゅるちゅるね、おうどんにしよっか」



お目当てのイベントの前にフードコートで腹ごしらえ


蓮チョイスのうどんを二人で仲良く分け合って
デザートにカップのアイスも半分こすれば
あっという間にイベントの開始時間

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