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「Aはまだいいけど、翔太は男だろ!!」
「無理! キモイもん!」
「あはははっ! 殿様よっわぁーい!」
「うっせぇ!……て、あれなんでお前俺が殿様って知ってんの?」
「うふふ」
ぜぇはぁと荒い息遣いが真上からして恐る恐る見上げると、佐久間さまの目が据わってる。
こ、怖い。
「てかさぁ! お前も少しは手伝えや!」
バシッ!
「ええ〜。だって手を出すなって言ったでしょ?」
ザシュッ!
「時と場合によるわ!」
ドンッ!
駄目だ。このままだと佐久間さまの体力の方が持たない。
私も怖がってないで頑張るしかないか、と潜めていた小刀を抜こうとした時だった。
「あらそお? だったらこれは一つ貸しってことにしよっか」
深澤さんは妖しくニヤリと微笑むと、被っていた帽子を掴み前に差し出す。
そして帽子の中から黒く人の影のようなものがゾロゾロと溢れ出てきた。
「さあて、一気にお掃除といきますか」
それはあっという間すぎて、誰も何も言えなかった。
あんなに手こずった蛇たちが深澤さんの出した黒い影に一気に飲み込まれてしまったから。
「はあい! おしまい!」
「……やば」
翔太さまがそう言うのも無理ないと思う。
佐久間さまは生唾を飲み込み僅かに震えていた。
「さあて、お次はなにかな?」
帽子を被り直した深澤さんは闇の向こうに視線をやった。
スッ……スッ……スッ…
何かが畳を擦るようにしてこちらに向かってる。
ドキドキと胸の音が煩い。
「油断すんなよ」
「もうそれいいわ」
翔太さま、流石にカッコつかないよ。
闇から薄らと浮かんできたのは、白く細い足。
「らうるっ!!」
目の色を無くしたらうるがそこに居た。
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ゆきんこ(プロフ) - あきさん» あき様、こんにちは(^^)鬼さん血は抜かれるわ、周りに振り回されるは、姫の扱い雑だわで可哀想になってますね(笑)あれ私も彼の担当なのに可笑しいな(笑)最終的には、主役の二人のお話になるので、鬼さんも姫に癒してもらえることでしょう! (2021年4月6日 13時) (レス) id: 4af061861f (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - ゆきんこ様、こんにちは☆桃鬼さん、違う意味で大変ですね(笑)( ´ー`) にぎやかなのもいいけれど、やっぱり桃姫ちゃんに癒されたいですよね♪ (2021年4月6日 12時) (レス) id: 4aac9fb6a0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - あきさん» あき様。こんにちは!そうですね、大変な事になっております。いつも展開があっちゃこっちゃになってて着いてきてもらえるか不安です^_^;この次で正解がわかる予定なので楽しみにしててください☆ (2021年3月17日 12時) (レス) id: 29517f669c (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - ゆきんこ様、こんにちは☆何か、大変なことに…果たして、どちらが偽物なのか、桃鬼さんと殿様は、見破ることができるのか…どちらもそれっぽく見えるから、難しい〜(>_<) (2021年3月15日 11時) (レス) id: 4aac9fb6a0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - ふさん» ふ様、お待たせしました!よく眠れましたか?心の安定剤とまで言われたら、もう頑張るしかないですね!!更新が開かないように頑張ります! (2021年2月8日 16時) (レス) id: 32279ed1b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆきんこ | 作成日時:2020年12月27日 23時