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佐久間さまが小さな竜巻を起こし、その中に私たち三人が入る。
近寄ってくる蛇は弾き飛ばされるけど、「少しでもはみ出たら身体が微塵切りになるから気をつけて」だそうだ。恐ろしい。
そのまま佐久間さまの言う通り突き進み難なく(?)屋敷内に潜入はできた。
するとしゅたっ、とあの男が現れる。
「お見事でした〜」
パチパチパチだって。
「ふん」
こんなんだから佐久間さまも懐かないんだろうなぁ。
割と直ぐ人に懐くのに。
「くんくん。あっちから涼太の匂いがする。あと照、」
「さまの羽根ですよね? これ」
「確かしまってなかったか?」
廊下に数羽落ちた黒い羽根。
これは天狗の羽根で間違いないだろうし、翔太さまの言う通り隠して人に化けていたのに、此処に羽根が落ちていると言う事は妖怪に戻らなきゃ危険だったということ?
「佐久間さま」
「急ごう」
バタバタバタ。
ペタペタペタ。
バタバタバタ。
ペタペタペタ。
「だぁぁぁぁっ! なんかお前の足音気に触んな!?」
「へ? ああ、裸足だからかな?」
「なんで裸足なんだよ!」
「なんでって人様のお宅にお邪魔するのに土足は駄目っしょ〜。殿様って、土足で入っていい程偉いもんなんだね〜」
背後ではそんな会話が繰り広げられていて、そっと私と佐久間さまも足を見て「………」無言を貫く事にした。
こんな時に礼儀もクソもない。
「ここかーっ!!」
スパーン!!と佐久間さまは遠慮なく襖を開けた。
けれどそこには何も無く、ずっと奥まで続く畳の部屋が続くだけだ。
「この奥だ」
「油断すんなよ」
扇子を構える佐久間さまと、刀を鞘から抜き前に構える翔太さま。
そしてその後ろで飄々と腕を組んでるだけの深澤さん。
本当にとらえどころのない人だわ。
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「うひゃああっ! やだっ、蛇が降ってくるとか気持ち悪いですっ!!」
「うわっ、絡みつくな!」
「ああもうっ! 蛇くらいで喚くなよ!」
あれから進み続けて行くと、天井から様々な蛇が降ってくる。蛇地獄へ突入した。
ニョロニョロ気持ち悪い!と叫ぶ私と翔太さまに両側から抱きつかれてる佐久間さま一人でなんとか薙ぎ払ってくれてるけど……お願い見捨てないでください。
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ゆきんこ(プロフ) - あきさん» あき様、こんにちは(^^)鬼さん血は抜かれるわ、周りに振り回されるは、姫の扱い雑だわで可哀想になってますね(笑)あれ私も彼の担当なのに可笑しいな(笑)最終的には、主役の二人のお話になるので、鬼さんも姫に癒してもらえることでしょう! (2021年4月6日 13時) (レス) id: 4af061861f (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - ゆきんこ様、こんにちは☆桃鬼さん、違う意味で大変ですね(笑)( ´ー`) にぎやかなのもいいけれど、やっぱり桃姫ちゃんに癒されたいですよね♪ (2021年4月6日 12時) (レス) id: 4aac9fb6a0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - あきさん» あき様。こんにちは!そうですね、大変な事になっております。いつも展開があっちゃこっちゃになってて着いてきてもらえるか不安です^_^;この次で正解がわかる予定なので楽しみにしててください☆ (2021年3月17日 12時) (レス) id: 29517f669c (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - ゆきんこ様、こんにちは☆何か、大変なことに…果たして、どちらが偽物なのか、桃鬼さんと殿様は、見破ることができるのか…どちらもそれっぽく見えるから、難しい〜(>_<) (2021年3月15日 11時) (レス) id: 4aac9fb6a0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - ふさん» ふ様、お待たせしました!よく眠れましたか?心の安定剤とまで言われたら、もう頑張るしかないですね!!更新が開かないように頑張ります! (2021年2月8日 16時) (レス) id: 32279ed1b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆきんこ | 作成日時:2020年12月27日 23時