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「……ん、」
瞼を開けるとまだ暗くて、まだ朝日はのぼりそうもない。
顔を横に向けたら、つぅと頬に冷たいものが流れた。
「…眠れねえのか?」
静かな部屋に布が擦れる音がして、目を凝らしてみると翔太さまがこっちを向いていた。
「起きてたんですか?」
「いや寝てたよ。ただお前が魘されてたから起きた」
魘されていたのか。
ああ、だからこれ……
布団から伸びた手が私の頬に触れるから、ちょっとだけ緊張が走る。
「あいつが居ねえのが不安?」
「…はい」
「ふっ、素直じゃん」
だって、こんなところで意地を張る必要ないでしょう?
「佐久間さまは約束してくれたんです。もう離れないって、なのに…」
「あっさり離れたな」
仕方ないのは分かってる。
らうるのことだって心配だから、佐久間さまが行ってくれたのは得策だった。
ふにっと摘まれた頬っぺ。
ふに、ふにって何度もされたら痛いです。
「俺ならずっと側にいてやれるぞ」
「……誘惑するつもりですか?」
「うん」
「ふふ」
「なんで笑うんだよ」
だってそれが私を元気づけるためだって分かるから。
確かに翔太さまが私を大切にしてくれてるのは伝わってくるけど、きっとこの場で私に手を出すことはしない。
「優しいですね」
「………ふん、さっさと寝な」
頬を抓っていた手が枕元にあった私の手を握った。
大きな手だなぁ。
「これくらいは許せよ」
「ありがとうございます」
もう魘されないようにって、私がもう一度眠りにつくまでぎゅっと握ってくれていた。
大丈夫、きっと二人は大丈夫だって。
.
「寝なくて大丈夫なの?」
「…好きな女目の前にして寝れるかっての」
「ふふ、そんな事言って移動中に寝たりしないでね」
「そうなったら頼むわ」
「はあ、ほんとにやりそうで嫌だな」
.

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ゆきんこ(プロフ) - あいちゅんさん» 長くなりましたので、2回にわけてのお返事失礼します。楽しみにしていただいてるようなのに、ご期待に添えずに申し訳ありません(>_<) 裏は載せられませんが、それ以外でも楽しんでもらえるように頑張ります! (12月13日 10時) (レス) id: 47adab0070 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - あいちゅんさん» あいちゅん様、大ファンなんて嬉しいお言葉に舞踊っております!ありがとうございます!初夜のお話についてですが、その他の裏のお話しに関しても書き始め当初から制限できるTwitterのみ掲載すると決めておりまして、本番行為はこちらには載せられません(汗) (12月13日 10時) (レス) id: 47adab0070 (このIDを非表示/違反報告)
あいちゅん(プロフ) - はじめまして。ゆきんこさんの作品大ファンの者です。お願いがあるのですが、私はTwitterのアカウントを持っていないので初夜のお話が楽しめません>_<privatterではなく普通の投稿にしていただけないでしょうか…? (12月13日 4時) (レス) id: bf15d374dc (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - 祐莉さん» 照くんや、残りの二人がどのように登場するかも楽しみに待っていてください(^^)最後まで面白かったと言ってもらえるように頑張ります! (12月3日 12時) (レス) id: 83fde2196b (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - 祐莉さん» そうですね。新章では、前回活躍してくれた二人は出てこないのですが、その代わりに前半に少し登場した翔太くんたちが出ます(笑)なのでまた違った雰囲気を楽しんでもらえたらいいんですが! (12月3日 12時) (レス) id: 83fde2196b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆきんこ | 作成日時:2020年12月1日 17時