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家の前の小川に足をつけてぼけーっと景色を見ている翔太さま。
「翔太さま、お独りですか?」
「ん。りょ…宮舘なら馬のとこにいる」
「そうですか」
日中はぽかぽかと暖かいから翔太さまも寝不足なのかうとうとしていて、その隣に屈んでパシャっと軽く水を飛ばしたみて。
「冷てっ」
「ふふふ、気持ちいいですよね」
「顔にかけんなよ…」
「眠気覚ましです。あの、」
「んー?」
ほらまた瞼を閉じてうとうとしてて、顔面から小川に顔を突っ込みかねなくて心配だわ。
「翔太さまは、どうしてそんなに私を好きだと言ってくださるんですか?」
ド直球に聞いてみた。
顔? 性格?
姫、姫と言われるけど、私は姫って柄じゃないし。
父や母からはお転婆娘って今でも言われる。
お殿様のお嫁様になるようなお姫様なら、私のようなタイプは合わないのではと思うんだけど。
うっすらと目を開けて、長い睫毛をぱちぱちと揺らしてる。
綺麗なお顔だなぁ。
「……好きになるのに理由っている?」
「えっと、」
「俺は綺麗なものが好きだ。だから最初はお前の話を聞いて、それほどまでに美しい姫なら農民の出であろうが良いと思った。どんな女も皆同じに見える俺だから、だったら綺麗だと評判な女が良いと思ったけど。聞こえてくる話は見た目とは釣り合ってなくて。どんな女か気になった。
すぐに城へ呼んだのに、お前の両親から来る文にはいつも姫は不在気味で親ですら捕まえるのが困難だとか、お転婆すぎて俺には不釣り合いだとか、何かしら理由をつけてお前を寄越さないからな、益々どんな女かだって興味が湧いた」
あ、草の舟が流れてきた。
村の子供たちが作って遊んでるのかな。
「……て、お前人の話聞いてる?」
「あ!ごめんなさい。ちょっと長いなぁと思って(笑)」
「……。つまりは、今まで紹介された女たちと違うところに惹かれたんだよ!それだけだ!」
「なんと! わかりました。翔太さまは変わり者なんですね」
「……なんでだよ」
てかこの草舟どんなけ流れてくんの?
もう九個は流れてきてますけど、と気になって立ち上がり川上の方を見てみると、あららあれは……
「あいつ何やってんだ」
「何やってんでしょうね(笑)」
村の子供たちに囲まれた佐久間さまが草舟を幾つも作り子供たちに渡している。
意外と器用な彼は自然のもので色々作ってあげているのは知っていたけど。
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ゆきんこ(プロフ) - あいちゅんさん» 長くなりましたので、2回にわけてのお返事失礼します。楽しみにしていただいてるようなのに、ご期待に添えずに申し訳ありません(>_<) 裏は載せられませんが、それ以外でも楽しんでもらえるように頑張ります! (2020年12月13日 10時) (レス) id: 47adab0070 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - あいちゅんさん» あいちゅん様、大ファンなんて嬉しいお言葉に舞踊っております!ありがとうございます!初夜のお話についてですが、その他の裏のお話しに関しても書き始め当初から制限できるTwitterのみ掲載すると決めておりまして、本番行為はこちらには載せられません(汗) (2020年12月13日 10時) (レス) id: 47adab0070 (このIDを非表示/違反報告)
あいちゅん(プロフ) - はじめまして。ゆきんこさんの作品大ファンの者です。お願いがあるのですが、私はTwitterのアカウントを持っていないので初夜のお話が楽しめません>_<privatterではなく普通の投稿にしていただけないでしょうか…? (2020年12月13日 4時) (レス) id: bf15d374dc (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - 祐莉さん» 照くんや、残りの二人がどのように登場するかも楽しみに待っていてください(^^)最後まで面白かったと言ってもらえるように頑張ります! (2020年12月3日 12時) (レス) id: 83fde2196b (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - 祐莉さん» そうですね。新章では、前回活躍してくれた二人は出てこないのですが、その代わりに前半に少し登場した翔太くんたちが出ます(笑)なのでまた違った雰囲気を楽しんでもらえたらいいんですが! (2020年12月3日 12時) (レス) id: 83fde2196b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆきんこ | 作成日時:2020年12月1日 17時