殺し屋として暗殺者として…【暗殺教室×博多豚骨ラーメンズ】 (ページ43)

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episode.40 博多豚骨ラーメンズページ43

──明日、この場所に来てよ

弟子入りを頼んだ僕に、榎田はそう告げた

パソコンの画面に表示されていたのは博多市内のグラウンドだった

次の日の朝、喚く馬場を後ろ目に事務所をあとにした

彼は野球が趣味のようで、事務所にいる時はだいたいテレビの野球の中継を見るか、素振りをしているかだ

先日も「いいとこつれってってちゃる」と言った馬場に、暇そうだからという理由でバッティングセンターにつれていかれたことがある

たまたま仕事や用事も無かったから良いものも半場強制的につれていかれた

僕は野球なんてやったことはないしルールすら知らない

当たり前のように結果は散々だった

なーにが「野球やらん？」だ、2度とやるか

五月蝿かったので早めに出てきてしまった

しょうがない、約束の時間まで町散策でもするか

──

散策を終え、市内のグラウンドに行くと、声を失ってしまった

そこにはお世辞にもカッコいいとは言えない…─というかダサイ─シャツと帽子を身につけた集団がいた

シャツの色はベビーピンクで、正面に『TONKOTSU』とゴシック体で書かれ、豚のシルエットがプリントされている

裏には、これまたゴシック体で書かれた名前らしきローマ字の並びと番号があった

帽子もシャツと同じ色で“R”のマークがはいっている

なんとなくだが、テレビの中で野球選手がこんな服を着ていたような気がする

……気のせいにしよう

ふと、その集団の中でも目立つ、キノコ頭が目に入った

あぁ、なぜだろう

嫌な予感しかしない

「来たね、黒狐」

後ろから声をかけられた

見ると、仲介屋の男…剛田が立っていた

「榎田から聞いとるばい。今日から入ってくれるんやって？よろしくね」

何を言っているのか全くもって分からない

榎田から聞いてる、だって？

僕は何も聞かされていないんだが、

「やっと来たの、蓝(ラーン)くん」

横から派手な頭が間に入った

「これ、メンバー表ね」

榎田から紙を渡される

『ちょっと待ってください。何が何だかさっぱり…』

「交渉だよ」

彼は不敵な笑みを浮かべながら続ける

「ボクに弟子入りしたいんなら、この草野球チームに入ってよ」

めんどくさいのに頼んでしまったな、と今更ながら後悔した

『………わかりました』

彼の広角が更に上がった

「ようこそ、“博多豚骨ラーメンズ”へ」

僕はその後、メンバー表を見て了承をしなければ良かったと思った