殺し屋として暗殺者として…【暗殺教室×博多豚骨ラーメンズ】 (ページ41)

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episode.38 他人ページ41

『ん～』

血塗れになったマンションの一室で伸びをする

今日は依頼でこの部屋に住む男(人形)を殺しに来ていた

この男(人形)は内通者としてある組織に潜っていたのをバレてしまったらしい

御愁傷様だ

自らの新しい戸籍を榎田くんに作ってもらったあの日から約一週間が経とうとしていた

あの日、僕は体力的にも精神的にも疲れていたらしい

目を覚ますと、次の日の朝になっていた

気を緩めすぎていたのかもしれない

──他人を一切信用するな。信じられるのは自分だけだ

教官の声が頭に響く

分かってるよ、と思う

脳裏にも、身体にも焼き付いている

他人を信じれば、自身の弱味となり、急所となる

他人は利用するためにあるだけだ

部屋の中にあった固定電話を借り、依頼者に電話を掛ける

今回の仕事は、殺った後に報告してほしい、と依頼者に言われていた

死体もそのままでいいらしい

依頼者はコレをどうするのだろうか

まぁ、雇われた側が口を出すことではないけど

洗面所を借りて、身支度を整える

黒狐が化けの皮を被るのは手慣れたもので、10分もかからない

綺麗に化けてから、僕は部屋をあとにした

行く当てもなく、ただフラフラと歩く

最近、やけに馬場が絡んでくる

僕用にスマホを買い、遅くなると「今、どこにおると？はよ、帰ってきんしゃい」と電話がかかってくる様だ

何なんだろうか

アイツは僕の親なのだろうか

そこまで考えてふと気づく

そういえば榎田が情報を書き換えてから、その内容を僕自身が把握していない

榎田に頼みたいこともあったので丁度いい

近くにあった名もないような公園に足を踏み入れ、パソコンを開き、彼のいる場所を特定する

自身でハッキングし、セキュリティに引っ掛からず、うまくできるか自信がないから、とかいうそんな腑抜けた理由では断じてない

断じて、ない

どうやら彼は中洲にあるゲイツビル一階のカフェにいるらしい

ハッカーやクラッカーは動き回ることがなく、基本外出せずにデリバリーなどを頼むことが多いので、太っていることが多い

しかし、彼は細身だ

何か運動でもしているのだろうか

彼も同業者だったりして…

まさか…な