殺し屋として暗殺者として…【暗殺教室×博多豚骨ラーメンズ】 (ページ5)

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episode.3 檻の部屋ページ5

中に入り、大股でずかずかと進んでいく教官の背中を、少年(人形)たちと小走りで慌てて追いかけた

やがて、ある場所に辿り着いた

扉の前にはガタイのいい男(人形)が退屈そうに立っていた

おそらく見張り役だろう

その体の奥に薄汚い鉄扉があった

第一監房棟──扉にはそうかかれていた

その中はやはり牢獄だった

少年(人形)たちと共に順番に入れられていった

監房は質素な造りだった

鉄作で閉ざされた小さな窓に、さらけだされた便器

寝心地の悪そうな固い寝台の上には囚人服を思わせる灰色の簡素な運動着がおいてあった

どうやらこれに着替えればいいらしい

私は服に手を取り、もくもくと着替えた

着替える途中で、部屋の中央に分厚い仕切りがあることに気付いた

奥を見やるとこちら側と同じような造りになっている

どうやら、2つの独房の間の壁を無理矢理取り壊して2人部屋が作られているようだ

あちら側の寝台に自分よりも良い体格をした黒毛の少年(人形)が座っている

よくよく見ると震えているようだ

─おかしいな… 人形は震えないはずなのに…

そう思いながら声をかける

『ねぇ…。何で…着替えないの…？』

バッ、と顔をあげた目から大量の水を流していた

「君は、怖くないの？」

『怖くは…ないよ』

それが涙だと理解するのに数秒かかってしまった

黒い瞳がキラキラと光っていた

─綺麗だ

初めて人形に対してそう思った

「なんで!?僕たち、ここで何をされるかわかったもんじゃないのに!!」

『だけど…最悪の未来は…免れたんじゃない…かな？』

「え？」

─あぁこの子は、怯えてるんだ…。これから先の未来に…

でも、それは私だって同じようなものだ

今まで気丈に振る舞っていたが、怖くないわけではない

ただ…他の子よりはやく残酷なこの世界を知ってしまっただけ

だからって＿

『嘆いたって…今から起こることは…変わらない。
それだったら、変な…やつに売られたり、…死.ななかった…過去を見て喜べば…いい』

「…そうだよね! これから…よろしくね!」

『…よろしく…ね』

この少年(人形)とだったら仲良くできる気がした

そう思うのは初めてだった

─私はあの教官が言ったように

ー自分自身しか信用しない(できない)しないけれど