殺し屋として暗殺者として…【暗殺教室×博多豚骨ラーメンズ】 (ページ24)

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episode.21 にわか侍ページ24

約束時間より10分前に来て、イメージトレーニングをする

うん、大丈夫だ

殺れる

「黒狐…か？」

『あ、馬場さん…』と、振り返り様、ﾋﾞｸｯとなるのを理性で押さえる

そうかコイツが…

『…馬場さんが“殺し屋殺し”屋の“にわか侍”だったんですね』

にわか侍のことは有名らしい

最初にヘボの情報屋に“博多一の情報屋は？”と訊いて回っているときに“博多一の殺し屋は？”と、聞き間違えた奴が言っていた

《この地域の伝統芸能に“博多にわか”ってのがあるんスよ。上半分しかないお面で、眉毛と両目の垂れ下がったやつなんスけど…》

これっス、とパソコンの画面を見せてきた

あの画像の面は、馬場であろう男(人形)と同じ、間抜けたオレンジ色だった

《これ着けて刀振り回してるから“にわか侍”。殺し屋の殺し屋らしくて、くっそ強いらしいんスよ。殺し屋殺し屋恐ろしや、なんて言葉ができたくらい…》

あの情報屋は訊いてはいないことを喋っていただけだったが、面白い話を聞かせてくれたので、他のヘボに払っていた金の倍やった

「あれ？全然驚いてなかとね
もしかして、本当は正体……知っとったと？」

『いや、知りませんでしたよ』

にこっと顔を作り、そして笑う

『博多(ここ)の都市伝説である貴方に会えて高栄です』

今回は本音がちゃんと混ざっている

話を聞いて林(リン) (・)憲明(シェンミン)の次に会ってみたいと思っていた人物だ

出来ればその技術(スキル)を見て、修得したい

『貴方の前で殺るなんて、緊張しちゃうなぁ』と、恥ずかしげに笑って見せる

この人(人形)とはつきあっていく価値がありそうだ

「ていうか、あんた……その髪…」

馬場こと、にわか侍が僕の髪を指差した

『あぁ、これですか？
僕、アルビノなんですよ。ほらまつ毛とか眉毛とかも真っ白でしょ？
普段は何かと騒がられるから、化粧とかして隠してるんです』

「そうだったんね…。てことはあんた、正真正銘のモノトーンやね」

『そうですね』と少し笑う

あ、とにわか侍が呟いた

「来なさったよ」

「ほれ」と指す方向に今回の標的(ターゲット)がいる

僕は『じゃぁ行ってきますね』と黒狐のマスクを着けて、その場を離れた