episode.1 施設 ページ3
「お前は顔がいいから、金持ちのペド野郎に高く売り飛ばそうと思ってたんだが…。運が良かったな」
車を運転させながら、私を買った中国語を喋る男の
「今からお前が行くのは工場だよ。あ、あれがそれだ」
殺風景な場所にコンクリートの固まりがあった
だが、それはよく見ると有刺鉄線付きのコンクリートの高い塀だった
中の様子は簡単には伺えないようになっている
『…何を…つくればいいんですか』
私はこの買い付け役をしている
たぶん何かを質問するのは初めてだった
本当はどうか分からない
人形は表情がかわらないから分からない
でも答えるのに時間がかかっていた
「ハッ…！チゲぇよ ここでつくられてんのは人間…お前だよ」
表情がかわらないはずの人形が笑っているのを感じ、気味悪く思った
「ここは元々刑務所だったのを、立て直して再利用してんだ
5年前から少年の兵器をつくることにしたんだよ。お前は今日から5年間、この中で特殊な訓練を受ける
人を殺.す勉強をするのさ」
ゾッとした
気持ち悪い何かが込み上げてくる気がした
車が建物の前に着き、降ろされる
周りを見ると他にもたくさんの
でも、今は人形のことはどうでもよかった
近くでソレを見たとき…私は悟ったのだ
─一度入ったら、逃げれない─
と…
固く閉ざされた鉄扉の前で深緑色の門番の格好をした
重たそうな銃を持っている
しばらくすると、通用門が開いた
─もう、逃げれないな
他人事のように思った
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 67人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：星奈 | 作成日時：2018年10月13日 10時
