【QK】五重奏の鍵 (ページ10)

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野菜か否かページ10

あの、タレ目の…
いや、タレ目に………

野菜が映ることはあるだろうか。

…。さっき『farmのヒントになるかもしれない』と思っていた。しかし、現実はどうだ。やっと思い出した友人に対してこう言うのはいけないと思うけど、厳しい。
　…この話はやめよう。
野菜探しを再開する。
在るとしたら森のほうなので松明を持って草を分けた。…季節はいつだろう。…今日は何月かなぁ。
空はずっと世界をオレンジで照らしている。
自分の好きな色をここまで怖く感じることは初めてだった。

足に硬いものがあたる。足元を見ると深緑のなにかが落ちていた。これは…
「かぼちゃ、か？」
お店で売るものより小さいが悪くはなさそうだ。やさい……野菜…だよな！？
小さくガッツポーズをしてツルを切り離す。
「カボチャ…ね。
ハロウィンで飾るジャック・オー・ランタンはもともとカボチャじゃなくてカブで作られてましてね」
有名な話だが、

「ハロウィンがアメリカに伝わったときに、そのとき生産量の高かったカボチャがつかわれ…」
雑学は止まらない。

「ちなみにジャック・オー・ランタンという名前はケルト人のジャックという名前に由来してまして…」
…本当に止まらない。

いいんだ。雑学は俺の元気のバロメーターなんだから。
2個程抱えて焚き火へ戻った。いそいで流れ着いた木の板で鍬を作る。紐の強度があれだがよくできている。農場づくり開始！
・土を耕す
・かぼちゃの種を植える
・水を飲む
・余った水をあげる

「こんなもんだろ」
農場っぽくする為に畝まで作ってやったんだ感謝しろ？
余ったかぼちゃの実で煮かぼちゃでも作ろうと思ったが、器もなければ食欲もなかったので(食べる気分じゃないんだよなぁ)このくらいのフードロスには目を瞑ってほしい。
深呼吸を一度してから背後に佇むドアと向き合う。
「たのむ…開いてくれ…！！」