【QK】五重奏の鍵 (ページ5)

今日:58 hit、昨日:44 hit、合計:12,589 hit

Knock ページ5

バックヤードのドアノブに手を掛ける。
今日でもう3度目だ。
冷や汗は止まらないし、心臓は煩いまま。
もしこれが開かなければ、破壊に頼るしかないな…
手を下に動かし全体重で押してみる。

ガチャンッ！！

扉は開いた。動いてくれた。
あまりの歓喜に「やった！」と声が漏れる。
少し恥ずかしかったのだが自分しか居ないので良し。
喜びを噛み締めていると不意にドアの方からノイズが聞こえる。
目を向けると“Backyard”の文字がcとkだけを残して、文字化けしていた。どんどんアルファベットは変わって、意味不明の文字列になっていく。しかし最終的にはれっきとした単語、
"Knock"となった。

knock？…何をノックするんだ？扉ならもう開けたじゃないか__

するとバックヤードの向こう側でキラリと光る何かがあった。
なんだ？と首を傾げて入ってみる。すると床はあったはずなのにまるで落とし穴のように、足には何もつかず落ちていく。
下へ、下へと、体は重力に従って闇へと落ちていった。