【QK】五重奏の鍵 (ページ37)

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おかえりページ37

暗い、ここは…何処だ？
夢？夢なのか？
光が見える。瞼の血を通過して赤く輝いている。
…生きている。何故かそう思って泣けてきた。

目が光を取り戻す。
灰色に見えなくもない白い天井、ライトがついて清潔さを引き立てている。首はほんの少ししか動かないが、視界の端に映るモニターで何となく何処にいるのか悟った。
布団を動かしたいが、体は動かなかった。チラッと捉えた布団の姿も白く清潔で、ここは病院だと確信した。

ガラッ

誰か入ってきた。…ナースさんだったか。
「起きましたか！？」
と、言われて軽く頷いたのは覚えているが、そこから寝たのだろう何も覚えていない。

__________

その後、すごい医者っぽい人が現れて
「話は聞けますか？」
と尋ねてきたので、また軽く頷いた。

話を聞けば目を開けた日から数日経っているらしく、その数日の間で体調は良好と判断されたので明日にはICUからHCUへ転室するのだそう。
ICU(集中治療室)！？俺はそんな重篤だったのか！？
HCU(高度治療室)だって、まだ重症じゃないか。
「どれだけ深刻な状況だったか、わかってしまいましたかね…
ああ、明日からは1人ずつ面会が可能ですよ」

そう医者は言った。

会える。声も曖昧なまま存在だけ必死に思い出した友人達に。
…また会える。

目が潤んできた。