【QK】五重奏の鍵 (ページ2)

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記憶は無くなるページ2

俺以外に人がいない。

そんなことがあるのか？焦りながら後ろを向く。
誰もいない。
「嘘だろ…」
もしかして営業時間は終わっている？
電車で終点を寝過ごして車庫にでも連れて行かれた…
そんな気分だ。焦りが募る。
今は何時かと思って腕時計を確認するが、腕時計はない。付けてきたはずだが…？
外に出ようと黒く重いドアを目指す。
「なんであいつらは起こしてくれなかったんだっ、…て……え？」
あいつらって誰だ？

俺は誰かと来ていたのか？
わからない。忘れている？
…いや、
　知らない。

心臓が急速に動く。自分しか居ないせいでその音しか聞こえない。考えるのを一旦やめてドアノブに手を掛ける。
ガチッ
鍵が掛かっているのか、押しても引いてもそいつは微動だにしなかった。
いよいよ恐怖心が芽生える。

そのまま何も考えられず、ただ突っ立っていた…