意外にも【ht】 ページ15
朝食堂へ行くと色とりどりの装飾が目に入った。そして各々自由な格好をしている幹部達を見て、今日がハロウィンだということを思い出す。同時に自分用の仮装を買い忘れたことも。まぁいっか、と思いつつ朝食後に一服していると、暇そうにしている大先生と目があった。彼の仮装は魔女？のようだった。
「Aちゃんじゃ〜ん。やっほ。あれ、仮装しないの？」
「あぁ、今日まで忙しくて買えなかったんです…。でも来年もあるだろうし、今年はいいかなって。」
そう言いながら軽く伸びをする。
ほんとはちょっぴりやりたい気持ちがある。
「えぇー僕Aちゃんの仮装見たかったのにぃ…」
ぷくぅと頬を膨らませせ拗ねる大先生に苦笑していると、食堂に誰かが入ってきた。
「ねぇ、Aっている？探してるんだ。」
私の名前を呼ぶ声。優しい声音と柔らかい読み方の主はひとらんだ。
「ん？ひとらん、どうしたの？」
彼はいつもの白い軍服ではなく、落ち着いた色味の袴を着ていた。きっとこれが彼の仮装なのだろう。
「あ、外道ちゃん。Aちゃんならおるで。……へぇ〜結局和装テイストにしたんだ。」
「うん、やっぱこっちのが落ち着くから。……A、ちょっと一緒に来て。」
「え！？あ、あぁうん！」
おもむろに手を引かれ、ついドキッとしてしまう。いつも控えめな彼は人前で手を繋いだりしないのだ。
ここはひとらんの部屋……の隣の彼が物置として使っている部屋。
中に入るとそこにはいつもはない、大きな三面鏡と衝立が置いてあった。
近くには大きめの段ボールもある。
「…ひとらん、どうしてここに？」
「それはねぇ…」
彼は目の前の箱を開け、中身を取り出した。それは彼の袴とお揃いの物だった。
そのサイズ彼のよりも小さく、女性用の物だ。
「え………これ…」
「Aの分。もっと明るい色のも似合うけど、お揃いにしたくって。」
彼から突然のプレゼント。あまりの嬉しさに声すら出なくなってしまう。
こっち来て、と言われ、鏡の前で服を合わせる。
「ん、めっちゃ似合ってる。」
鏡を見て嬉しそうに微笑む彼。私も頰が緩みっぱなしだ。
「じゃあ…これ。自分で、着付けられる？」
私は首を振った。袴や着物なんて、見たことしかない。
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霞花(プロフ) - ひかりさん» オリジナルフラグは外れております。冒頭部分の注意書きもしっかり表示されていますよ (2020年5月10日 20時) (
レス) id: 6d56430d02 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり - オリジナルフラグをお外しください。ルール違反です。 (2020年3月24日 13時) (レス) id: 8c2e85674d (このIDを非表示/違反報告)
霞花(プロフ) - ブンブンさん» ありがとうございます！(蘇生) (2019年10月24日 18時) (レス) id: 8895aebc7a (このIDを非表示/違反報告)
ブンブン(プロフ) - 尊い…(遺言) (2019年10月21日 22時) (レス) id: 4a511d68cf (このIDを非表示/違反報告)
霞花(プロフ) - ラピさん» そう言って頂けるのは光栄です！ありがとうございますっ。 (2019年10月14日 22時) (レス) id: 356bccad88 (このIDを非表示/違反報告)
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