[wrwr.d!] 妖怪な我らとの日々 (ページ34)

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「さっきの奴……えっと将…だっけ？
あいつが言った通り俺は"天邪鬼"。嘘を司る鬼の一族なんよ。……んでさっきの奴は"鬼一口"っていう鬼。
俺達天邪鬼は鬼の中でも割と有名だし、性質的にも"良種"っていう、まぁ強い部類に入るんよ。鬼一口はあんまり強い部類じゃないし、力も弱いんよ。だから逆恨みかな、俺に対するね。」
将さんが鬼……そしてシャオロンも。だから"アイツ"って言ってたのか。
確かに私が将さんに殺されかけた時は本当に怖かったが、その将さんもシャオロンの前では手も足も出ていなかった。
「……シャオロンも人を食べるの？それとお気に入りって、何？」
「俺達は人は食わんよ！あーさっき"嘘を司る鬼"って言ったやん。天邪鬼は嘘を食べて真実を知るんよ。だから人は食わん。寧ろ人に混じって生活してる方が楽やしな。んで…えっと……お気に入りっていうのは、多分俺がAと一緒にいたせいで俺の匂いが移ったんやない？鬼って鼻が敏感やから…」
天邪鬼は嘘を食べるのか………ん？嘘を食べて……
「ちょっと待って、嘘を食べて…なに？」
「ん？嘘を食べて真実を知るんやで？」
もしシャオロンが私の嘘を食べているとしたら、
素直になれない私の気持ちはシャオロンにただ漏れだったのでは…？

「シャオロン……私の嘘、食べたことある？」
「……………」
「……………」
沈黙が嫌に長く感じる。冷や汗が背中を伝うのがわかる。嘘でしょ？コイツはずっと気づいていたの？

「…知ってるに、決まってるじゃん。」
やはり最初に口を開いたのは彼の方だった。
「そんなの嘘を食べなくてもわかってた。
俺に嫌いって叫んでても本当は好きって思ってたり、ウザいって口で言われてもありがとうって思ってくれてたり……素直になれない奴やなって…
だから、気になる人がいるとか男と会う約束したって言われた時も本当は嘘かと思った。でも…嘘やなかった。会いたくないって言われた時も嘘じゃなかった。
だから、本気で嫌われたかと思った。」

天邪鬼な彼だから今まで私が酷い事言っても笑ってくれていたのか。でも今回は私の1つの嘘がどんどん真実になっていって……どこまでが嘘でどこまでが真実か彼にもわからなかった。…嘘から出た誠。これは完全に私の自業自得だ。