[wrwr.d!] 妖怪な我らとの日々 (ページ26)

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「あらー、そうでしたの！ですって、Aさん」
「ソウナンデスネ。」
結局あの日以降シャオロンとは会えず話せず、約束の日になってしまった。
先輩はお兄様もいるから気が楽だろうが、私はそうもいかない。軍学校に通ってる教養深き学生2人と先輩に囲まれているのだから、ご飯の味すらわからない。
そもそもなんの話をしているのかさえわからない。確かお家柄とかそういう話だった気がする。しかしついていける筈がなく、先輩の横でちまっとご飯を食べる事しか出来ずにいる。
「そういえば将さん、前にした話、Aさんにもなさったら？」
「あぁそうですね。」
私の知らないところで話が進んでいってしまう……。あぁ、咄嗟の嘘がこんなことになるなんて…。
「Aさん。」
「は、はいっ！」
将さんに急に名前を呼ばれ、変に反応してしまう。
「良かったら今度、2人で出かけませんか？」
「ふ、2人…。」
「はい。あなたと私で。」
付き合ってもいない男女が2人で出かけてもいいものなのか。私にはわからない。しかし相手は軍学校の秀才さんで家の喫茶店もご贔屓にしてくれている。
下手に断る訳にもいかない。だけど……。

私の頭の中にはちらりとシャオロンの顔が浮かんでしまう訳で。本当に好きじゃない人と迂闊に遊びに行っていいのだろうか。
いや…どうせシャオロンは私の事………

「……はい、私で宜しければ。」
罪悪感で胸が張り裂けそうだ。