[wrwr.d!] 妖怪な我らとの日々 (ページ25)

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その後少し談笑して、ご飯は1週間後のお昼にということが決まった。
その時は先輩と先輩のお兄様も来るらしく、ちょっと安心した。
本当は元々気がある訳ではなく、罪悪感も否めなかったが、彼の優しい人柄には私も心が落ち着いた。
「優しい人だった、な。」
彼の事を思い出しながら仕事終わり、家までの道のりをのんびりと歩いている。
「よっ。帰りに会うのは珍しいやん。」
「シャオ、ロン……」
正直1番今会いたくない人だ。誰のせいでこんなにややこしく……って言ってもほぼほぼ自業自得だ。
「あからさまに嫌な顔すんなよー。……んで、優しい人やったん？昨日言ってた人。」
本当にこいつは人を苛立たせる天才だと思う。1番突かれたくないポイントを笑顔で抉ってくる。
「……ま、まぁ？あんたよりは優しくて、朗らかでイケメンだったよ？」
少なくともアンタよりはね。
口からは彼を煽る様な言葉がポロポロと零れていく。
「どんな事話したん？なぁなぁ、教えろや。」
わかりやすく煽ってくるこいつへの怒りを抑えつつ、スタスタと歩いていく。
「………食事に、誘ってもらった。」
ピタッとシャオロンの足が止まり、慌てて私も歩みを止める。
「え、どうしたの…？」
ふるふると震えている彼に不安が募る。
「シャオ、ロ………」
「…ぶっ、ぶっはははははw w w w」
道のど真ん中で急に笑い出すこいつ。
心配して損したわ。
「お、お前が男と食事ぃ？あはは、マジで？」
ケタケタと腹を抱え出す彼に控えめな殺意が湧く。
「わ、悪い？私だって頑張ってるんですぅー。文句言わないでよ。」
涙を流しながらなお笑い続けるこいつを無視して、私は先へと歩いていく。
後ろからたったっと追いかけて来るが無視を決め込む。
「まあまあ、失恋したらバカにしてやるって。笑い話にしてやるから。」
失恋する前提で話を進めてくるのこいつの腹に1発キメたいが、どこで誰が見ているかもわからないのでやめておく。
そんなこんなしているうちに、自分の家の前についてしまった。
「…………じゃ。帰るから。」
「そう怒んなよー。なぁなぁ、メシ行ったら話聞かせてや。」
「は？あんたなんかに言いませんよ、ばーか。」
ピシャリと扉を閉めて、家に入る。
しかし玄関から動けず、そのまま扉にもたれ掛かる。
「本当は………違うのに。」
この言葉が彼に届く日は来るのかな。