[wrwr.d!] 妖怪な我らとの日々 (ページ24)

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次の日、喫茶店に気になるあの人が来た。
その人は軍学校に通っている事、あとここの喫茶店のホットサンドが好きな事しか知らない。だけど、彼は私の事を少しは好いてくれているようで、毎回笑いかけてくれる。
「…あ、Aさん、こんにちは。」
「…………いらっしゃいませ。」
あまり男の人が得意ではない私だが、彼にはいい印象が強い。
今日も静かに窓際でホットサンドを食べている。
「はぁ……」
意味ありげなため息を着いていると、先輩から声をかけられる。
「あらAさん、どうしたの。ため息なんかついて。」
「……いえ。物思いにひたっていただけです、すいません。」
そそくさと業務に戻ろうとした時、先輩は再度口を開いた。
「昨日のこと聞いたわ。貴方、彼がお好きなんでしょ？」
ビクッとわかりやすく肩を震わせる。
「あらら～わかりやすいわねぇ。」
いや違いますっ、と言いかける。いやでもシャオロンが好きなことはバレたくないけど、とりあえず訂正をしよう！と口を開いたが、先輩の言葉の方が早かった。
「あの人、うちの兄さんが行ってる軍学校の人なのよ。だから今度一緒にご飯でもどう？」
こ、断りにくい…。正直そういうのは苦手だが折角先輩が誘ってくれたのを断るのは今後の仕事に影響しそうだ。
「わ、私でよければ…喜んで…。」
私の咄嗟の一言がこんな誤解を産んでしまうなんて……。
「よしよし！、じゃあ早速ご挨拶っ！」
腕を急に引っ張られ、その人の前に連れていかれる。彼に特別な感情がある訳でもないが、つい顔が赤くなってしまう。
「お久しぶりです、将さん。砂倉の妹です。先日お話したお話、よければこの子も連れてって下さいません？ほら、自己紹介！」
先輩にぽんと背中を叩かれ、反射でぺこりとお辞儀をして挨拶をする。
「は、はじめまして。Aと申します。いつも御来店ありがとうございます…。」
私が頭をさげ続けていると、その人はぽんと優しく頭を撫でてくれた。
「そんなに緊張なさらないでください。私は将という者です。いつも貴方が一所懸命働いてる姿を拝見していましたよ。」
優しい声音に柔らかな笑顔。朗らかそうな人柄に私の緊張と頬も緩む。
「ぜひ私で宜しければ、お食事をご一緒させてください。」
その問いかけに私はつい喜んで、と返してしまうのだった。