[wrwr.d!] 妖怪な我らとの日々 (ページ13)

今日:8 hit、昨日:12 hit、合計:20,094 hit

＊むかしばなしページ13

むかしむかし、今から500年以上前のことです。大きな山がある小さな村がありました。
そこの山には悪さをする妖怪が沢山住んでいると言われ、村の大人達は山に近づかないように子供たちに言いました。
けれど、度々山から妖怪が出てきて悪さをするので村の大人達は困ってしまいました。
そこで隣の村からえらいえらい神社の神主さんを呼んできていいました。
「どうかこの村を妖怪からお守りください」
そこで神主さんは山の入口に大きな大きな鳥居を作りました。
妖怪達を山に閉じ込めたのです。
すると、その日から妖怪が村に降りて来なくなりました。村の人達は大喜び。

しかし妖怪達は悲しんでいました。
確かに悪さをする妖怪はいます。けれどそれはごくごく一部の妖怪。ほとんどの妖怪は人間の子供たちと遊ぶのが大好きでした。
人間達は山に入れるけれど、妖怪達は山から出られません。
子供たちも大人達にきつく言われているため、山に遊びに来てくれません。
寂しくなった妖怪達のほとんどは鳥居とは反対側にある山から別の地域へと移っていきました。
残ったとある妖怪は村の人達との思い出が忘れられず、日夜村の様子を眺めて過ごしているそうです。

いつか人間とまた、遊べる日が来ることを願って。