世間話でもしたかった 銀時side ページ23
呆然とする俺。
は?なんで…??
「何してるんですか銀さん!今すぐ追いかけてください!大事な女なんでしょ!?」
「う、うるせぇ!違うって言ってるだろ!!」
けど俺も慌てて靴を履いて追いかける。
くそ、あいつ足早ぇんだよ
「おい、待て!」
振り向かない。
こっち向け
「待てって!!」
頼むから
「おいA!!!」
肩を掴んでこっちを向かせる。
顔を見た瞬間、息が詰まった。
「…え?」
「…なに」
「え、な、泣いてんの!?は!?なんで泣いてんだよ!!」
「泣いてないし…」
「嘘つけ涙目じゃねぇか!」
もうパニックだった。
だってそうだろなんでアレのソレで泣くんだって話だ。
「なんで、俺に会いに来たんだ…?」
「…」
そう聞くと、Aはぐいっと袖で目元を拭って
「…分からない。ただあんたがここに居るって聞いてから、気づいたら足が動いてた。理由は会えたら分かるって思ってた」
「…」
「だけど無理。むしろ頭の中無茶苦茶!万事屋やって、新しい仲間できて、幸せそうだね、私も嬉しいって言ってやりたいのに…!!」
右腕が、振り下ろされてボスって音がした。
まったく痛くなかった。
「私だけ、なんにも変ってない…」
寧ろその小さすぎる声に、胸が痛くなる。
俺は今、左手をどうするべきか迷ってる。
このまま、あいつの背中に乗せて胸に押し込んで…
…いや、俺にその資格はないだろ。
「…A」
「ごめん、久しぶりなのに。でも会えてよかった。
これは本心だから」
笑ってる。
ああ、こいつ今泣きそうなんだ。
「…んだそれ。もう会わねぇみたいな言い方じゃねーか」
そう言うと、Aはそのつもりだと言った。
そして
「私、今政府で働いてんの」
…は?
「高杉は私も壊すと言ったけど、銀時はどうする?」
「…」
「…私は、行ける所まで行くつもりだから」
暗闇の中、手負いのこいつの手を握った日。
そして、俺がこいつから離れた日。
『待って、銀時…!』
「…A、待てよ」
「じゃあね、銀時。」
出来てしまった堀はもう、埋めることは出来ないのか
あいつの背中が見えなくなっても体が石みたいに動かねぇ。
「…クソッ、」
何も変わってない…?
寧ろお前が1番変わったじゃねーか
ただでさえ壊れやすいのに、もっと壊れやすくなってどうすんだよ。
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睡魔 noa(プロフ) - 続き待ってますヾ(*´∀`*)ノ (2018年9月4日 20時) (レス) id: 4176890134 (このIDを非表示/違反報告)
八木楓(プロフ) - しゅき (2018年9月2日 21時) (レス) id: dbe5bf77f2 (このIDを非表示/違反報告)
神右宮月左京(プロフ) - あの、岡田以蔵ではなくて、岡田似蔵だと思います! えと、応援してます!!すっごく好きなんで!!頑張ってください!! (2018年9月2日 18時) (レス) id: 0ad6a2b0ae (このIDを非表示/違反報告)
アニオタ菌@葵 - 異三郎ですよ (2018年8月28日 19時) (レス) id: 53026d57c3 (このIDを非表示/違反報告)
gin(プロフ) - めっちゃ面白いです!続き気になります!更新頑張って下さいね! (2018年8月27日 11時) (レス) id: e17fc6e5e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピピミ | 作成日時:2018年8月24日 11時