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「着くまで寝てていいですよ」
「眠くないので大丈夫です。起きてます。」
そう言いながら、身体は疲れていた。
けど何故か心地よい安室さんの運転でも眠れなくて、ただ通り過ぎていく景色を見ては、あと何分で家か…とばかり考えていた。
…そう考えるってことはまだ帰りたくないってことだろうか。
それを認めたくない思ってる自分はなんて頑固で可愛くないんだろう。
おかしいな
前世ではもっと私は素直だったはずなのに。
「送ってくださってありがとうございました」
そんなことを考えているうちにあっという間についてしまった。
シートベルトを外して出ようとすれば、既に安室さんが外からドアを開けてくれている。
「いえいえ、寧ろ今日は僕に付き合ってくれてありがとうございます」
そう言って手を引かれて車から降りた。
…なんでこんな自然に手を繋ぐことが出来るだろうか
離せばいいのか
それとも…いやいやキャラじゃない。
そんな葛藤をしていたら
「昼間のプレゼント、今ここで使ってもいいですか?」
「え…あ、はい。どうぞどうぞ」
いけない、すっかり忘れてた。
何故かもったいぶって言ってくれなかった安室さんのお願い。
安室さんは少し息を吸うと、真っ直ぐこっちを見て
「…1分だけでいいので、抱きしめてもいいですか?」
…と。
ん?は??え???
「…、…私を?」
数秒間のフリーズ後、やっと話せたのがそれだった。
「はい、Aさんを。」
「……ぉ、え、…それだけ?」
抱きしめるって、なんだ?
ハグか?ハグってなんだ??
「いやいやもっとあるでしょ!!荷物持ちとか!!洗車とか!!」
「え!?Aさんにそんなことさせられませんよ!」
じゃあなんでハグなの!?
ハグとか前世でも滅多にしなかったのに
まずここ日本ではそんな文化はない。いや待て。昨今のグローバル化を考えたら我々も変わらなければいけないのかも!?
そ、そうだ何故ハグでこんなしどろもどろになってる?ただ腕を背中に回せばいいんだ。そうだそうだ!!
寧ろ恥ずかしがるから恥ずかしくなるんだ!
これはただの腕を回す行為。何も恥ずかしくない。寧ろお互いの信頼関係を築く挨拶みたいなものだ。はっはっはっ、こんなことで動揺するなんて私はなんてお子ちゃまなんだはっはっはっ。
大人な対応をね!!取らないとね!!
「は、ハグでしょ?い、いいですよ?
さ、さぁ、来てください!!」
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理那(プロフ) - あぁ!そういうことでしたか!私よく絵を描くので知ってて!実際あんま覚えてなかったのでよかったです! (2020年5月22日 0時) (レス) id: db0db57d74 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぴみ(プロフ) - 理那さん» ご指摘ありがとうございます!!すみません、自分単行本派なので赤井さんの目の色すっかり勘違いしてました(号泣)訂正したのでまたよろしくお願いします! (2020年5月21日 23時) (レス) id: bf70a421f2 (このIDを非表示/違反報告)
理那(プロフ) - 赤井さんって目は黒じゃなくて緑色、だった気がする?いやすみません間違ってたら!無理のない程度に頑張って下さい! (2020年5月21日 21時) (レス) id: db0db57d74 (このIDを非表示/違反報告)
イアデビル(プロフ) - めっちゃ好きです!更新頑張ってください!応援してます! (2020年5月6日 3時) (レス) id: ef5404f845 (このIDを非表示/違反報告)
腐夢(プロフ) - 初めまして!番外編も本編もとても面白くてにやけながら読みました!読みやすいし感情移入しやすいのでとても読んでいて楽しかったです。素敵な作品をありがとうございます┏○))ペコリ (2020年4月29日 23時) (レス) id: 93d427ce7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピピミ | 作成日時:2018年7月6日 14時