第3章 おかえり 5 ページ1
会場に響く叫び声。
お分かりいただけただろうか…
事件が起こったのである。
思えば、前世を自覚してからまだ1度も事件にからまれていなかった。
いやそれ普通だから!!とツッコミたくなるけど、この世界にしてはそれはもう奇跡。
ただ、ついに来てしまったのだ。
人混みを押分けると、
「殺してやる…!!」
そう言って刃物を向ける男の人。
刃先には、腕から血を流しながら座り込む男の人がいた。
あ、よかった殺人事件は起こってない…
ってホッとしてる暇ねぇよ!!!
今まさに起ころうとしてるって!!!
どう考えても金銭関係で躍起を起こして殺してやるううう!系の人だ。
「落ち着いてください佐戸さん!!」
と怪我している人が言う。
「何が落ち着けだ!!!俺はお前を信じて金を預けたのに…!!急に行方不明になったかと思えばこんな所でパーティーだと!?俺を見くびるのもいい加減にしろ!!!」
それはあの人が悪いわ!!
ただこういうタイプの人は絶対挑発してはいけない。
逆上しちゃうと何するか分か…
「終わりだ佐戸!!今しがた、警察に連絡したところだ。お前はすぐに捕まる!!」
そんな声が野次馬の中から聞こえた。
いやいやいやいやいや!!!
「グダグダとうるせぇなぁ!!!!」
ガシャーン!!
とテーブルの上の皿を落とした。
所々で叫び声が聞こえる。
いや、ほんと挑発してどうする!!!!
まだ怪我した男の人しか眼中になかったのに、これで周りにも被害が行く可能性が出来てしまった。
「どいつも…こいつも…みんな…馬鹿にしやがって…」
元々これは計画的犯行じゃなかった。じゃなきゃ、まず通報されるようなミスは起こさない。
後にも先にも捕まるという未来しかない状況で、どう考えても行動に出るのは…
ブツブツと呟きながら刃物を持ち替えるのが見えた。
そして、視線はぐるりと…
「ちょ、A!?」
蘭ちゃんが止める前に、既に身体は動き出してた。
あの人が、手を伸ばす先にいる女性、間一髪のところで背中を押して避けさせる。
けど勢い余ってその人がいた場所に私が入ってしまった。
ここ一番の叫び声が響いた。
ナイフを振り下ろす手が、スローモーションみたいに見える。
死ぬ直前ってこんなだったっけ
前はこんな、余裕なんて…
「Aーーー!!!!」
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理那(プロフ) - あぁ!そういうことでしたか!私よく絵を描くので知ってて!実際あんま覚えてなかったのでよかったです! (2020年5月22日 0時) (レス) id: db0db57d74 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぴみ(プロフ) - 理那さん» ご指摘ありがとうございます!!すみません、自分単行本派なので赤井さんの目の色すっかり勘違いしてました(号泣)訂正したのでまたよろしくお願いします! (2020年5月21日 23時) (レス) id: bf70a421f2 (このIDを非表示/違反報告)
理那(プロフ) - 赤井さんって目は黒じゃなくて緑色、だった気がする?いやすみません間違ってたら!無理のない程度に頑張って下さい! (2020年5月21日 21時) (レス) id: db0db57d74 (このIDを非表示/違反報告)
イアデビル(プロフ) - めっちゃ好きです!更新頑張ってください!応援してます! (2020年5月6日 3時) (レス) id: ef5404f845 (このIDを非表示/違反報告)
腐夢(プロフ) - 初めまして!番外編も本編もとても面白くてにやけながら読みました!読みやすいし感情移入しやすいのでとても読んでいて楽しかったです。素敵な作品をありがとうございます┏○))ペコリ (2020年4月29日 23時) (レス) id: 93d427ce7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピピミ | 作成日時:2018年7月6日 14時