気持ちの行方 ページ44
side 天月
うらたさんにいきなり、Aちゃんのことどう思ってる?なんて聞かれてしまった
そんなこと、僕が一番知りたいよ
(僕は彼女のことをどう思ってるのか……)
そんなことを考えていると、うらたさんが口を開いた
うら「じゃあさ、俺がAもらっていい?」
(………………は?)
え、いやいやいや!ちょっと待ってよ…!
あま「どういう………こと…?」
僕はたまらず、うらたさんに聞き返した
うら「そのままの意味だよ、お前にその気がねぇなら俺があいつのこともらうから」
あま「ちょ、ちょっと待ってよ!なんで僕とうらたさんがライバル的な感じになってんの!?」
うら「…………それもそうか。お前があいつのことなんとも思ってねぇなら許可とる必要もないもんな」
(ちがっ…………なんで、そうなるの……)
僕は何も言い返せなくなって、そのまま俯いてしまった
すると、部屋の扉が開かれてAちゃんがひょこっと顔を出した
『お昼の準備ができましたよ〜………って、あれ?何かお取り込み中でしたか…?』
うら「や、別に?今行く」
そう言うと、うらたさんは立ち上がって扉の方へ向かった
坂田は不安な面持ちで一瞬僕の方をちらっと見たが、うらたさんに続くように坂田も立ち上がって部屋から出ていった
(僕も、行かなきゃ……)
そう思って、僕はふらつきながら立ち上がって扉の近くまで行った
そしてそのまま部屋を出ようとすると、優しい声色が僕のことを引き止めた
『あの……天月さん…顔色があまりよくないように見えますが、大丈夫ですか…?』
(あぁ………これだよ……)
どんな心も一瞬で癒してくれるようなこの優しい声に
僕はいつも励まされてた、元気をもらってた
そして、大好きだ
その声に、その優しさに、僕は一瞬全てを委ねそうな気持ちになった
でも──
あま「ううん!ぜーんぜん大丈夫だよ?ほらっ!」
僕はすぐさま笑顔をつくり、彼女に笑いかけた
『そう、ですか…?それならよかったです!』
すると彼女も笑顔になってくれた
(Aちゃんに心配なんてかけたくない…)
あま「それじゃあ行こっか!」
『はいっ!』
あま「あぁ〜お腹すいたな〜」
そして僕たちは、お昼が準備されている部屋へと向かった
(これで、よかったんだ……)
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桃菜 -モモナ-(プロフ) - 雫さん» ありがとうございます!たくさん更新できるように頑張ります!これからもよろしくお願いします!*_ _) (2019年3月10日 23時) (レス) id: 21d5e627ad (このIDを非表示/違反報告)
雫 - とても面白いです!続きが気になるので更新頑張ってください! (2019年2月18日 5時) (レス) id: 52b2f1d4d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桃菜 | 作成日時:2019年1月20日 22時