会いたい理由2 ページ37
その瞬間、もうすっかり慣れ親しんだ心地の良い声が頭の上から降ってきた
あま「もうっ坂田、うらたさんっ!ひなちゃんのことあんまりいじめないのっ!」
声の主は天月さんだった
天月さんはそう言うと、私のことを庇うようにさらにぎゅっと抱きしめた
(え、え………えぇぇぇええぇっ!?!?)
私はいきなり天月さんに抱きしめられて、さらに顔が赤くなってしまった
『ぅあ、あのっ!天月さん……っ!?』
しかし顔が赤くなったことなんか気にしていられず、私はそう言ってバッと顔を上げたら、ちょうど天月さんと目がぱっちり合ってしまった
『あっ……いや……そのぉ………』
天月さんと目が合ってしまい、私は咄嗟に目を逸らして言葉を濁した
そんな私の様子を見て、天月さんは「ん?」と首を傾げていた
身長差があっても、やっぱり普段より全然距離が近いし、何より身体が密着している
当然私は正気を保つことなんかできなくて、今にも倒れてしまいそうだった
(も、もう……だめ………)
私の頭はもう沸騰寸前で、今度こそ倒れると思ったその時だった
うら「はいはい、Aがそろそろヤバそうだから離れような天月」
うらたさんの声が聞こえたかと思うと、私の身体を包んでいた天月さんの腕はなくて、代わりに私の目の前にはうらたさんの胸があった
私は状況が掴めなくてしばらく呆然としていたが、やがてそれは、うらたさんに抱き寄せられているとわかって、再び頬が熱くなった
『えっ!?う、うらたさ……っ!?』
うら「お前、倒れそうになってただろ?」
私は口をぱくぱくさせながらそう言おうとすると、うらたさんは私の言葉を遮って耳元でボソッとそう呟いた
(え、もしかして……助けてくれたのかな…?)
私はうらたさんの声にドキッとなりながらも、そんなことを思っていた
『あのっ……ありが…』
うら「さっ、続きやろうぜー」
私はお礼を言おうと思ったのだが、またもやうらたさんに言葉を遮られてしまった
うらたさんはそう言うと、私をぱっと離して再びソファに座った
(あ……また言えなかった……)
私は、後でちゃんとお礼を言おうと思って席に座ろうとすると、正面から明るいふたつの声が聞こえてきた
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桃菜 -モモナ-(プロフ) - 雫さん» ありがとうございます!たくさん更新できるように頑張ります!これからもよろしくお願いします!*_ _) (2019年3月10日 23時) (レス) id: 21d5e627ad (このIDを非表示/違反報告)
雫 - とても面白いです!続きが気になるので更新頑張ってください! (2019年2月18日 5時) (レス) id: 52b2f1d4d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桃菜 | 作成日時:2019年1月20日 22時