１６．"ビ"は"V"の方の"ビ"(3) ページ16
「三ツ谷先生」
「殺先生」
急いで印刷したプリントを生徒達に渡すと、入れ替わりで殺先生が職員室に戻ってきた。
殺先生は私が作ったプリントを見て、感心しますねぇ、と笑った。
「殺先生、イェラビッチ先生の事なんですけど」
「その事なら心配無用です」
何を言ってるんだ、と思った。
実際学校の設備が壊れて、授業も崩壊、生徒達にだいぶ影響が出ている。
ただでさえ過酷な環境でまともな学校生活も送れず、超生物を暗殺だなんて無理難題を強いられているのに、これ以上生徒達から何を奪う気で居るのだろうか。
「信じてあげてください」
本当に何を言っているんだこの怪物は。
3月になれば人類を滅亡させるほどの爆発をする兵器のくせに、一体人間の何がわかると言うのか。
殺先生は怪訝な私の心情を察してか、ニヤニヤと笑ったままだった。
「生徒達に解決させるんですか？授業をする気もないのに？」
「誰よりもここの生徒達と一緒に居た三ツ谷先生ならわかるでしょう。あの子達なら大丈夫です」
当てつけか？
そう思うとこの怪物に私の仕事を奪われているのが馬鹿馬鹿しくなった。
そもそもの話、コイツが暗殺しろだなんて言わなければ、あの子達は今頃＿＿＿
「そうですか、わかりました」
殺先生に背を向ける。
イライラして無意識に眉間にシワが寄る。
誰にも吐き出せないこの怒りをどうしようか、と私は唇を噛んだ。
私がこの学校に来たのは大学を卒業してからだった。
マイキーの事があって、私は絶対に教師になると毎日死ぬ気で勉強した。
私が椚ヶ丘中学校を選んだのは、その努力が実ったからでもある。
成績でクラスを決める事は大いに結構な事だ。
その様な教育方針の学校は多い。
だが、私がこの学校に来た理由のほとんどはE組という差別対象の教室が存在する事だ。
私もかつては落ちこぼれだ何だと背中を指さされ、罵られてきた。
家の事情でもそうだったし、私が不良と言う世界に身を投げたこともそうである。
でも、だからと言って人を簡単に傷つけていい訳ではないし、このようなやり方を正当化することは大人のやるべきことじゃない。
「堅…」
過去の私は不良として人を傷つけてきた。
だからこんな私が説いていい問題なのか不安になる。
後悔しているのか、後悔していないのかわからない。
子供達を守りたいと教師になったはずなのに、未だに私は何も成せてない。
どうすればいい？
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くゎじゅ(プロフ) - なっつさん» 返信が遅くなってしまい申し訳ありません。コメントありがとうございます、7月下旬には落ち着きそうなので、長らくお待たせしてしまうことになりますが、それ以降たくさん更新できるように頑張ります。 (2022年4月14日 0時) (
レス) id: 4a978b52b3 (このIDを非表示/違反報告)
なっつ - 続きが見たいです!!( *´꒳`* ) (2022年4月7日 23時) (レス) id: 87cdd260c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2022年2月12日 19時
