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その集団の髪色は明るく、色取りどりで、何だか東卍のみんなを思い出させた。
龍が絡みに行かないか心配だな、と少しずつ龍をその集団に近づけないように端に寄る。
「ナニナニナニ」
「間違っても喧嘩売らないでね」
「絡まれたら田中身代わりにして置いてくか〜」
「なんでだよ！！」
多少ビビるであろうみんなに冗談を言って、緊張をほぐす。
あははは、と笑っていると、その集団の内の1人が立ち上がった。
前を歩くみんなの頭や背中で隠れてよく見えないが、黒髪ロングの男のようだった。
「え、なんかこっち見てる…」
「旭の顔が悪い」
東峰くんが縮こまってしまい、誰がそんなガンたれてんだ、と顔を拝んでやろうと集団から外れる。
近づくほどにハッキリと見える容姿に、私は足を止めた。
自販機とお店の明かりで、周りに座り込んで屯している集団の顔が照らされ、顕になる。
それを見た瞬間、体が震えて全身から汗がブワッと吹き出し、肌が冷える。
息が乱れ始めた私を心配して誰かが名前を呼ぶが、それに反応できなかった。
片手に持った金色の安物の王冠、あれは今日、ヒナちゃんが私に写真で送ってきたものとソックリだった。
「うそ…」
私がそうボソリと呟くと、長髪の男は歯を食いしばって顔を歪める。
それと同時に座り込んでいた集団は立ち上がる。
私達だけの時間が止まったようだった。
頭では理解しているのに、踵が地面にくっついて離れない。
うそ、うそ、うそ。
信じられない。
なんで、なんでここに居るの。
「A…！！」
名前を呼ばれ、男の体が動くと同時に私もかけ出す。
その距離、約100m強。
目頭がカッ、と熱くなり、鼻奥がツンと痛み出す。
男の後を追うように、立ち上がったみんなが走り出す。
想う気持ちは遠くに離れていったと思い込んでいた。
でも違った。
私は、私はまだ。
「圭介！！みんな！！」
よく見えるようになったみんなの顔には、涙が浮かんでいた。
ずっと写真でしか見れなくて、ヒナちゃんの話でしか知らなかった。
圭介の顔を見て、途端に愛おしさが溢れ出す。
勢いのまま飛び込んだ私を、圭介は抱きとめた。
この柔軟剤の匂い、体格。
身長は高くなっていたが、全部覚えている。
あの時とほとんど変わらない。
「A…！！」
「圭介…圭介…っ！」
圭介と抱き合うと同時に、横や後ろから衝撃を感じて、体中が熱に包まれる。
その中で私達は、お互いの空白を埋め合うように、強く、強く抱き締め合った。
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ゆぅ(プロフ) - このお話を見つけてから一気見してしまいました！最後良かったなぁと思いましたが、大地さんの事を考えると少し複雑です…笑 (6月28日 20時) (
レス) @page50 id: 8e291ea386 (このIDを非表示/違反報告)
まお - 完結おめでとうございます！めっちゃ泣きました笑主さんの言葉のチョイスとかがマジ最高で最初の方から泣きっぱなしでした😢本当にいい作品ありがとうございました！！ (2022年2月15日 1時) (レス) @page50 id: 2f9ff98037 (このIDを非表示/違反報告)
みあ(プロフ) - 完結おめでとうございます！毎回楽しみで更新される度嬉しくてすぐに読んでいました！！とっても面白い作品でした！ありがとうございました！！ (2022年2月13日 15時) (レス) @page50 id: 97f98e2290 (このIDを非表示/違反報告)
AYA - 完結おめでとうございます！ いつも楽しく読ませて頂きました！ ありがとうございました！ (2022年2月13日 8時) (レス) @page50 id: 38ab2f94d7 (このIDを非表示/違反報告)
有 害 。(プロフ) - 完結おめでとうございます。更新をとても楽しみにしていて読んでいてとても面白い作品でした。この作品を生み出していただきありがとうございます。大好きです(T T) (2022年2月13日 0時) (レス) @page50 id: eeca6b926d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まてっどぴっど | 作成日時：2021年12月9日 11時
