【HQ】日向翔陽と私 。２【日向翔陽】

この感情の名前　日向side ページ8

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「行っちゃった…」



誰もいない体育館に置き去り状態の俺は

ほんの数分前の出来事を頭で考えていた



「うわあああ！俺！何してんだあ！！」



混乱と恥ずかしさが混ざり合い、

段々と顔が熱くなっていく






ここ最近、なんだか変だ。

Aと居ると調子が狂うと言うか、

おかしな行動をしてしまう。



「…さすがに引かれたよな…」



たとえ友達でも、あんな雰囲気での壁ドン
俺が女の子だったら100%ドン引きだ。

なんか最後A変だったし。
あれはもう、これ以上俺と居たくないってことかも…



「本当にそうだったらどうしよう…！」



1人で妄想を繰り広げて青ざめている俺は
今朝のことを思い出す。


「そう言えば俺、今朝も変だった」


チラ、とAが返してくれたジャージを見つめる



Aが、研磨のジャージを着てる時
また心臓が苦しくなって…

この間の合宿でもそう。
研磨とAが話しているところを見ると、
同じ症状が出た




……


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「…それ、完全に天音さんの事好きだべ」

「！？」



真剣な顔をして言う菅原さん


さっきの事を菅原さんに相談すると、
そんな返事が返ってきた



「ぇえ！？好き！？！？」

「いや何で気付かないんだ逆に！」


俺が、Aを ''好き'' ？


「ほら、思い当たる節たくさんあんだろ？
　音駒のセッターと一緒にいる時、胸が
　苦しいなんて、それは立派な嫉妬だろ？」

「し、嫉妬！？」


初めての、経験したことのない感情に
名前があるとわかると

段々、



「…そう、だったのか」



じわじわと、



「俺、Aのことが…」






確信に変わる。

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