【HQ】友達↑恋人↓【宮侑】

18 ページ18

.




「侑のいいとこ見てみたーい！！」

侑「ほんまに買っとったんか…っ…」



はい。買いましたとも。
ネギトロ味のチロルチョコ一箱。



「侑の為に買ったんだよ♡」

侑「お前俺に恨みでもあるんか？？」



いつもなら誰かの机にお菓子があったらワラワラと集まるクラスメートも、今回ばかりは誰も寄り付かない。うちのクラスは正直者が多いようだ。



侑「銀…っ！助けてくれ！！」

銀島「これはアレや。夢乃が侑の為に買うてきたんやろ？ほんなら侑が食わな」

侑「裏切り者ーーーっ！！」

「まぁまぁ侑。食べていけばクセになる味かもよ？作ってる会社もマズイもんは出さないでしょ」

侑「完全に罰ゲーム要員やってこんなん！！」



駄々をこねる侑。
面白がる銀島。
面白がる私。



「早食いは可哀想だから一箱全部食べることを目標にしようか」

銀島「トロやから醤油かけたらうまいんちゃう？」

「うわ、銀島頭良すぎ」

侑「頭悪い会話すんなや！！」



あーもぉ！と言いながらカサカサとチョコの包装を開けていく彼に「さすが関西人。フリは完璧だな」と言うと「喧しいわ！」と言われた。

パクリとチョコを口の中で転がす侑の顔は、例えるならシワシワの顔をしたピカチュウだ。(検索してみてね)



侑「絶対合わせちゃあかんやつやん…」



そんなにマズイのか、と興味本位で私もそれを口の中に入れてみる。




銀島「お前らおんなじ顔しとるで」

「ﾏｽﾞｩｲ……」




これはダメなやつだ。こんなの一箱食ったら確実に一生顔のシワが取れなくなる。

侑の机の上に乗っかったクソマズチロルを3人で眺めること5分。






治「ツムー、ちょお科学の教科書貸してや」



宮治登場。



「侑、治くんって何でも食べるっけ」

侑「食いもんなら大体食うわこいつ」



治「ん？」



侑「サム。教科書欲しければ、これ全部食うてからや」



目の前に立ちはだかるクソマズチロル一箱(食いかけ)



「治くんごめんね。私だってこんな事したくない。でもあなたは侑の双子として生まれてきた運命(さだめ)連帯責任は逃れられないのよ」

銀島「訳：侑の代わりに食え」




治「ほーん、貰ってええんか？」

「どーぞどーぞ！」


治くんは一口、そのチョコを口に入れた




侑「だははは！！どや！サム！マズイやろ！！」



そう言って笑い転げる悪魔。



治「うっ…」



流石の治くんでもこれはだめか。




治「うまい…！！」



嘘だろ。

19→←17 侑視点

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す