【宮侑】幼馴染みに恋をしたい【宮治】

12 ページ12

.




侑「一目惚れてお前」

「わ、笑うな！」



くくく、と肩を揺らしながら笑うツム。
あーおもしろ。と言ってあたしを馬鹿にしてくるが
何とか誤魔化せたんじゃないかと思う。良かった。

いや、良くはないな。

またネタバレするタイミング逃した。




侑「あ、お前今日昼暇？」

「何でや」

侑「一緒に昼飯食わん？」

「え」



何なんコイツ。急にどうした。
今までお昼誘ってきた事なんて無いんやけど！

これは何？あたしの事好きなんか？(違う)



「え、ええけど」

侑「お、じゃあ決まりや！」



え、なんか良くわからんけど
ええ方向なんとちゃう？




_______________

お昼






北「あ、この間の」

「へ、」



訳もわからずツムに手を引かれ中庭にやってきたあたしだったが

そこには今一番見たくない、北さんがいた。



「つ、ツム！どう言うー…」

侑「あっ、俺弁当箱忘れたわ！！取ってくるから先食べとってや」

「は！？」



ド下手な嘘ついて来た道を戻るツム。

あかんコイツ、全力でくっつけに来てるやん



取り残された、あたしと北さん。

どうする、この状況非常にマズイぞ。





北「…とりあえず座ろか」

「は、はい」



そう言ってベンチに腰掛ける

ホンマ北さんごめんなさい×100



北「お前がAって子か」

「え」


何で名前！？


北「あ、ごめんな。アイツらがAA言うもんやからつい。苗字知らんし」

「そ、そうやったんですね！あはは、や、いいんです。名前で呼んでください」

北「…この間とまた雰囲気違うんやな」

「あー、あん時は化粧しとったから…」

北「そうなんか」

「はい」





…沈黙。






タスケテ侑。罪悪感で押し潰れそうだよあたし


ちらりと空を見ると、二階から手を振る見たことのある奴。何やってんねんあいつ。


…


おいツム。『グッ』じゃねえんだよ。
何上で弁当食っとんじゃぼけ。

あたしが睨み付けたら焦って窓閉めやがった。




…でも、これで
北さんと二人きりのお昼確定イベント…


あかん無理や！あたしには耐えられん！
北さんには悪いけどここは撤退や。




北「なあ、」

「は、はい！？」

北「その弁当、自分で作ってるんか」

「え？」



北さんの視線はあたしの弁当箱に注がれている



「そう、ですけど…」


そう言うと、北さんがこっちを向いて



北「Aさん、ちゃんとしてるんやな」



と、優しい笑顔で言った。





あかん。


不覚にもときめいてしまった。

13→←11

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す