Blue Rose (ページ44)

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一度は光輝に
「これ以上結城を傷つけないでくれ。頼むから…結城の前から…消えてくれ…」
泣きながら、苦しそうに言われた。あの子と光輝が幼馴染なのは知っていたし、長い付き合いなだけにお互いを大切にしあっていた事も知っていた。
だけど、俺のほうがあの子のことを好きだった。だから、俺は諦めきれなくて何度も病院に足を運んだ。そのたびに光輝の言葉が頭に響いて、病室のドアを開けることはできなかった。ある日、病室の前で、オリに出会った。オリは俺の顔を見るなり、憎しみの色を見せた。オリは俺のことをひどく恨んでいつようだった。
「お前のせいで…お前のせいで…！瀬奈さんが被害にあった…瀬奈さんは被害に遭う必要がなかった。蒼衣のせいで、アイツのせいで二人も犠牲になったんだ。お前は瀬奈さんの前から消えてくれ…お前だって瀬奈さんを守りたいだろう？もうこれ以上俺の大切な人を傷つけないでくれ…」
このとき初めて、オリは瀬奈さんのことが好きだったんだと気がついた。オリは瀬奈さんに想われているだけだと思っていた。そうじゃなかった。お互いに思い合っていた。

だけど、俺だってあの子を守りたい俺は蒼衣とあの子の監視を始めた。

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